下肢静脈瘤

当院の下肢静脈瘤治療の特徴

  • 1「切らずに治す」低侵襲の日帰り手術を追求
  • 22000年の開院当初から25年以上・4万件超の日帰り手術実績
  • 3下肢静脈瘤のすべての手術を院長が担当し、治療品質を一貫して維持
  • 4初診当日の日帰り手術が可能(要予約・適応判断)
  • 5保険診療から自費診療まで、症例特性に応じた複数の治療法
  • 6潰瘍例や複雑な血管構造にも対応できる治療対応幅
下肢静脈瘤手術の様子1 下肢静脈瘤手術の様子2

下肢静脈瘤治療の「今」と当院のこだわり

下肢静脈瘤は命に直結する病気ではない一方で、「だるい・むくむ・痛い・つる」といった不快な症状や、見た目のコンプレックスから生活の質(QOL)を大きく損なうことがあります。しかし、かつては入院を前提とした大掛かりな手術が中心だったこともあり、「忙しくて入院できない」「そこまでひどくないから我慢している」と、治療をためらう方も少なくありませんでした。

北青山D.CLINICの阿保義久院長は、1998年に下肢静脈瘤の日帰り根治手術の手法を考案して以降、「生活を変えずに、生活を取り戻す」という理念のもと、2000年の開院当初から日帰り手術を標準とした下肢静脈瘤治療に取り組んできました。現在はレーザーや高周波治療機器、フォーム硬化療法などの血管内治療を中心に、できるだけ生活リズムを崩さずに治療を完結できる体制を整えています。一口に下肢静脈瘤と言っても、血管の太さや深さ、症状の強さ、仕事や家庭の事情によって適した治療法は変わります。当院では、診察と超音波検査にもとづいて静脈瘤のタイプや重症度を評価し、保険診療・自費診療を含めた複数の選択肢をご提案します。

下肢静脈瘤手術の様子

目次

1. 下肢静脈瘤とは(原因・症状)

足の静脈が瘤のように盛り上がる病気

下肢静脈瘤とは、下肢(かし)すなわち脚や足の表面を走行する静脈が、ぼこぼこと瘤(りゅう、こぶ)のように盛り上がったり、網目状やクモの巣状に青や赤の血管が浮き上がったりする疾患です。基本的には自然に回復することはなく時間と共に徐々に悪化しますが一般的に進行は緩徐です。しかし、重症化すると潰瘍や血栓症などが発生し、治療に難渋する場合があります。非常に多くの方に発症することが特徴で、40歳以上の10%前後、妊娠出産経験者の50%に発症するなどと報告されています。潜在的な方も含めると相当多数の患者人口になるようです。

見た目が気持ち悪い、温泉に行けない、短パンになれない、スカートがはけない、など患者さんの悩みは往々にして深刻なのですが、医療機関側ではあまり重視して取り上げてこなかった疾患とも言えます。

原因と発生メカニズム

原因~血液の還流が正常に働かなくなる

心臓から脚に送られた血液の還流が正常に行われなくなることで引き起こされます。血液還流が正常に働かなくなる原因を整理すると、以下のようになります。

  1. 下肢の筋肉が衰えている
  2. 呼吸が浅いため、胸腔内の陰圧状態が不十分である
  3. 腹腔内圧が上昇している
  4. 血液粘度が濃い(いわゆるドロドロ血)
  5. 長時間の逆流負荷(立ちっぱなし)や過度な運動により逆流防止弁が壊れる

その他にも、肥満・背が高いといった体型、遺伝なども影響しています。また、女性ホルモンの影響で血管硬度が柔らかく、瘤ができやすい状態にある妊娠・出産も原因になります。

下肢静脈瘤の症状

人により症状はそれぞれ異なりますが、こむら返りや、足の各部位がだるい・重い・疲れる・ほてる・痛い・むくむ・かゆみ・色素沈着・潰瘍・皮膚炎等…の症状のある方は注意が必要です。

  • 外見上の問題

    治療に訪れる多くの方は、血管が浮き出て気持ちが悪い、スカートがはけないなどの外見上の問題を訴えます。

  • だるい、重い、疲れる、ほてる

    静脈瘤は、うっ血による静脈圧の上昇によって発生しますが、このうっ血(血液がよどんでたまること)により、これらの症状が作られます。

  • 痛い

    血液のうったいが進み、だるさ・重さがさらに進むと痛みとして感じられることがあります。

  • つる

    歩行時もしくは就寝中にこむら返りを起こすことがあります。血液循環が悪い証と言えます。

  • むくむ(浮腫)

    静脈圧が高くなってしまったために、血管内から水分が外へ染み出ることにより起きます。

  • かゆみ

    湿疹が伴うことも伴わないこともありますが、かゆみも静脈瘤の代表的な症状の一つです。

  • 皮膚炎、湿疹

    足首の周囲や静脈瘤の周囲に起きやすく、皮膚や皮下組織の栄養障害が進むと、皮下組織が繊維性変化を起こし硬くなります。

  • 色素沈着、潰瘍

    皮膚が弱く、静脈が拡張しているために何らかの刺激で皮膚、皮下に容易に出血を来します。血液の成分の中に含まれる色素が組織の中に沈着することがあります。また、皮膚が弱いために、傷ができやすく容易に潰瘍化します。皮膚の血液循環が悪いために、潰瘍は極めて治りにくく放置すると徐々に増大していきます。

下肢静脈瘤の手術を受けた方が良い理由

なぜ手術をした方がいいのか?放置すると徐々に悪化

手術を受けた方が良い理由は、以下のようにまとめられます。

  1. 壊れた末梢の拡張血管、及び弁不全をきたして深部静脈を流れる血液を末梢に逆流させている伏在静脈は正常な血液還流の点で機能していない。
  2. 弁不全により一旦逆流した血管や拡張して瘤(こぶ)のように膨らんだ血管は、放置して治ることはなく徐々に悪化していく。
  3. 悪化していくだけでなく、正常な血管にも静脈瘤が広がっていく。
  4. 進行すると難治性の下腿潰瘍や血栓症など重篤な症状に陥る可能性がある。
  5. レーザーや高周波による血管内治療は体への負担が少なく入院が不要で手術後も日常生活に速やかに復帰できる。また、従来の根治的治療に勝るとも劣らない治療成績が期待できる。
  6. 早期に治療をすればするほど、回復も早く完全に症状から回復できる可能性が大きい。
下肢静脈瘤の手術を受けた方が良い理由

下肢静脈瘤を放置するとどうなるのか?重症化の危険性

下肢静脈瘤を発症してしまった場合、そのまま放っておいて自然に治るということは基本的にはなく、進行の速度に個人差はあるものの、通常は徐々に悪化します。極めてまれに血管に血栓ができて静脈瘤自体は改善することがあります(1万例に3例程度)が、非常に強い痛みを伴います。専門医による治療を受けなければ、根治することはもちろんのこと、改善することはないといってよいでしょう。

下肢静脈瘤を発症したとしても、それが直接的な死因になることや、足が壊死を起こすということも、足を切断しなければならないということもありません。進行はゆっくりであることが殆どなので、実際は放置されがちです。しかし、進行し、重症化すると、痛みが生じたり、皮膚に潰瘍が発生して治らなくなったり、 ひどい血栓症に陥ったりします。 血液のかたまり(血栓)が肺動脈を塞ぎ、深刻な状況を引き起こす肺塞栓症について、 下肢静脈瘤が直接影響を与える場合もあり得ますが、それはごくまれなケースです。ただし、下肢静脈瘤にかかっている人は、 深部静脈に負担がかかり、そこに血栓ができやすいという報告もあります。その血栓が肺動脈を詰まらせてしまうのが、いわゆるエコノミークラス症候群です。つまり、エコノミー症候群の間接的な原因にもなり得ると言えます。

2. 下肢静脈瘤の分類とタイプ別の治療法

下肢静脈瘤には様々なタイプがあり、患者さん自身が自分の下肢静脈瘤がどのタイプに属するかを判断するのは難しい場合があります。また、複数の静脈瘤が併発していることもあります。わかりやすい分類の仕方に「ボコボコと膨らむ」「青・赤・紫の細かいもの」の二つに大別する方法があります。電話での診察予約の際など、医療スタッフが患者さんにどのようなタイプの静脈瘤をお持ちかを尋ねる時には、しばしばこの分類法を用います。実際の静脈瘤のタイプは、医療機関を受診した上で、診察や血管エコー検査により確定されます。「ボコボコと膨らむ」タイプは3種類(伏在型静脈瘤(大伏在・小伏在)、側枝静脈瘤、陰部静脈瘤)、「青・赤・紫の細かい」タイプは1種類(網目状・クモの巣状静脈瘤)に分類されます。

ボコボコと膨らむタイプ

伏在型静脈瘤(大伏在・小伏在)、側枝静脈瘤、陰部静脈瘤などが含まれます。

  • 太い血管が浮き出ている
  • 重だるさ・痛み
  • むくみ・皮膚症状
青・赤・紫の細かいタイプ

網目状・クモの巣状静脈瘤が該当します。

  • 皮膚表面に細い血管が広がる
  • 見た目が気になる
  • 軽いだるさを伴うことも
タイプ 見た目・部位の例 よく見られる症状 主な治療法
(すべて日帰り治療)
伏在型静脈瘤
(大伏在)

太もも〜膝下にかけ太い血管が浮き出る。

  • 夕方の重だるさ
  • こむら返り
  • むくみ・皮膚症状
伏在型静脈瘤
(小伏在)

ふくらはぎ後面〜膝裏にボコボコと突出。

  • ふくらはぎの張り
  • 夜間のこむら返り
  • 立ち仕事で疲労
側枝静脈瘤

細めの血管が枝分かれして浮き出る。

  • 見た目のボコボコ
  • だるさ・ほてり
  • かゆみを伴うことも
陰部静脈瘤

足の付け根〜太もも裏に斜めのボコボコ。

  • 月経時に症状増悪
  • 重だるさ
  • 違和感・痛み
網目状・クモの巣状静脈瘤

細い青・赤・紫の血管が皮膚表面に広がる。

  • 見た目が気になる
  • 軽いだるさ
  • 他タイプと併発も

※症状・血管構造・生活背景により、適した治療法は変わります。診察時に相談して決定します。

治療 保険・自費 主な適応 麻酔 通院回数 術後圧迫 特徴や留意点
血管内レーザー焼灼術(1470nmレーザー) 保険 伏在型、側枝型(径による) 局所+静脈(必要時) 2〜3回 あり 標準的治療で実績が多く、創が小さく日常復帰が早い。
血管内レーザー焼灼術(1940nm・2000nmレーザー) 自費 伏在型(蛇行・分枝・太径例にも対応) 局所+静脈(必要時) 2〜3回 あり 熱ダメージを抑えやすく、症例に応じて細かい照射調整が可能。
血管内高周波焼灼術(高周波治療機器) 保険 伏在型(径条件あり) 局所+静脈(必要時) 2〜3回 あり 照射温度が一定で治療時間が短く、痛みが少ない傾向。
医療用接着剤による血管内閉塞術(スーパーグルー治療※現在当院では実施しておりません) 自費 中等度までの伏在型 局所(少量) 1〜2回 不要なことが多い 熱を使わずTLA麻酔不要。生活制限が少なく通院負担が軽い。
体外照射レーザー(ロングパルスYAGレーザー) 自費 網目状・クモの巣状 不要〜表面麻酔 複数回 不要 皮膚表面から細い血管に照射し整容性改善。段階的治療が基本。
フォーム硬化療法 保険 側枝型、陰部、網目状・クモの巣状 不要 1〜数回 あり 外来で簡便。色素沈着が生じることがあり改善に時間を要する。

※ 保険・自費の適用や通院・圧迫の要否は、病態とご希望を踏まえて医師が個別に判断します。

3. 術前・術後の注意点

血管内レーザー焼灼術(1470nm・1940nm・2000nmレーザー|保険・自費)
血管内高周波焼灼術(高周波治療機器|保険)

術前・当日

術前・当日のポイント
  • 食事:食事(朝食、昼食)は軽めに済ませてください。水やお茶などは来院するまでは飲んでいただいて結構です。
  • 服装:治療後は太ももまで包帯を巻くことがありますので、ゆったりとしたズボンか長めのスカートを着用のうえお越しください。男女問わず、靴は大きめのひも靴を履いていただき、ジーパンや短いスカート、ハイヒールは避けてください。また、下着の替えをお持ちください。
  • 付き添い:不安の大きい方は付添の方がいらっしゃれば安心です。治療が終わる頃に来て、一緒に帰っていただいても結構です(お帰りの時間は治療開始予定時間の1時間半から2時間後です)。基本的にはお一人様の診療で問題ありません。
  • お薬:治療前の説明で飲まないようにと言われた薬以外は、通常通り飲んでください。特に高血圧のお薬を飲まれている方は、忘れないように薬を飲んでからおいでください。
  • 交通手段:お帰りの交通手段は公共の交通手段(バス、電車)でも大丈夫です。右脚の手術をされた場合、ご自分で運転するのは避けてください。
  • 体調:風邪等で体調が悪いときは、早めに当院までご連絡ください。体調が悪いときに無理に治療を受ける必要はありません。当日でも構いませんので遠慮なく申し出てください。生理は、治療には特に問題となりません。
  • 入浴:手術当日は入浴できませんので、入浴またはシャワーを浴びてからいらしてください。

術後

術後のポイント
  • 生活:治療後に特に安静にする必要はありません。逆に、治療をした後にあまり動かないでいると深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)を起こしやすくなりますので、家事や買い物、散歩等、適度に動いてください。
  • 傷の処置:傷は針穴のみで殆どありません。薄い麻酔薬を多めに使うために、太ももの包帯やガーゼが濡れてくることがありますが、これは出血ではありません。真っ赤でなければ心配はありませんので、次回の診察までそのままにしておいてください。治療をした晩および翌日は、アイスノンで太ももを冷やすようにしてください。体が冷えたりアイスノンがない場合は、冷やさなくても結構です。
  • 圧迫:治療後は包帯を巻く場合と、弾性ストッキングを巻く場合があります。帰宅後に足先が痛んだり、白くなっている場合は弾性ストッキング・包帯をゆるめて様子を見てください。それでも症状が良くならないときには、早目にご連絡ください。包帯がゆるんでしまった場合は、包帯をはずして弾性ストッキングをはいてください。
  • 痛み:鎮痛剤と化膿止め(抗生物質)を処方致しますので、自宅にお帰りになったらすぐに飲んでください。通常はこれで十分に痛みを抑えることができます。もし内服薬を飲んでも痛みを感じる場合は、我慢しないで、早めに座薬を使ってください。座薬は1日2回まで使っていただいて構いません。座薬を使っても痛みが治まらないときはご連絡ください。太ももの違和感や突っ張り感は治療後1~2週間続くことがありますが、これは異常ではありません。
  • 食事・飲酒:特に食べていけないものはありません。治療後3日間はお酒は控えてください。お酒を飲むと痛みが強くなったり、脱水によって深部静脈血栓症を起こしやすくなります。
  • 運動:散歩やウオーキング、軽い体操は翌日からしていただいて構いません。競技をするスポーツ(卓球、テニス、ゴルフ、バドミントン等)やダンスは治療後2週間程度は控えてください。
  • 仕事:座位中心は翌日可。長時間立ち仕事は1週間は量を調整。
  • 旅行:1~2泊の国内旅行は治療後7日目以降、海外旅行は治療後2週間目以降に予定することをお勧めします。
  • 家事:通常の家事(炊事、洗濯、買い物等)は手術当日からしていただいて構いません。
  • 入浴:入浴は手術の次の日から可能です(長湯やサウナは1週間程度避けてください)。
  • 再診:次回の診察は通常1週間後になります。お帰りの際に受付で確認の上お帰りください。

体外照射レーザー(ロングパルスYAGレーザー|自費)

術前・当日

術前・当日のポイント
  • 食事:普段通りで構いません。
  • 服装:患部を出しやすい、締め付けの少ない衣類でお越しください。
  • 外用:当日は施術部位へのオイル・クリーム・制汗剤等の使用を控えてください。
  • 日焼け:日焼けには十分注意し、日焼け止めクリームを塗布し紫外線からお肌を守ってください(色素沈着リスク低減のため)。
  • 交通手段:制限はありません。
  • 入浴:当日の入浴は原則シャワー程度で軽く済ませてください。

術後

術後のポイント
  • 生活:当日から通常生活で構いません。強い擦過は避けてください。
  • 皮膚反応:赤み・ほてりは一過性です。必要に応じて冷却し、医師の指示に従い保湿してください。水疱・びらん・強い痛みが出た場合はご連絡ください。
  • 圧迫:不要です。
  • メイク・日焼け止め:翌日から可。以後は遮光(SPF・PA)を徹底してください。
  • 運動・仕事・家事:刺激の強い摩擦を伴う運動以外は当日~翌日から再開可能です。
  • 入浴:当日は短時間のシャワーのみ、翌日から通常の入浴が可能です。
  • 回数:複数回に分けた段階治療が基本です(間隔は医師より指示)。
  • 再診:経過確認は指示の期日にご来院ください。

フォーム硬化療法(保険中心、適応により自費)

術前・当日

術前・当日のポイント
  • 食事:普段通りで構いません。飲酒はお控えください。
  • 服装:術後に弾性ストッキングを着用します。締め付けの少ないボトムスと、脱ぎ履きしやすい靴でお越しください。
  • 外用:当日は施術部位へのオイル・クリームは使用しないでください。
  • お薬:抗凝固薬等の継続可否は事前指示に従ってください。
  • 交通手段:制限はありません。
  • 入浴:手術当日は入浴できませんので、入浴またはシャワーを浴びてからいらしてください。

術後

術後のポイント
  • 生活:当日から歩行を推奨します。
  • 圧迫:弾性ストッキングの連続着用が治療効果・色素沈着抑制に重要です。
  • 皮膚反応:発赤・硬結・色素沈着は数週~数か月で改善することが一般的です。紫外線は色素沈着を悪化させるため遮光を徹底してください。
  • 痛み:鈍痛・張り感が出ることがあります。処方鎮痛薬を適宜ご使用ください。
  • 食事・飲酒:制限はありませんが、飲酒は3日間控えてください。
  • 運動:散歩は翌日から可。強い衝撃や圧迫を伴う運動は1~2週間控えてください。
  • 仕事・家事:座位中心は翌日から可。長時間立ち仕事は1週間程度、量の調整を推奨いたします。家事は当日から可能です。
  • 入浴:入浴は手術の次の日から可能です(長湯やサウナは1週間程度避けてください)。
  • 異常:広範囲の発赤・強い疼痛・潰瘍形成・視覚症状(極めて稀)などがあれば直ちにご連絡ください。
  • 再診:経過確認は指示の期日にご来院ください。

合併症・リスク・副作用について

治療後に次のような症状がみられることがあります。多くは一過性で、通常は数日〜数週間で改善します。

よくみられる副作用・一過性の症状

これらは緊急性のある症状ではなく、患部を冷やしたり、処方された鎮痛剤・坐薬の使用で多くは軽快します。

  • 太ももの違和感・つっぱり感
  • 運動時の軽度の痛み
  • 皮下出血(内出血)
  • 発赤・腫れ・軽度の熱感
  • 治療部位に沿った圧痛・硬結

経過中に注意が必要な症状

次の症状がある場合は、早めの診察が必要です。遠慮なく当院にご連絡ください。

  • 冷却や鎮痛剤を使用しても痛みが強いまま続く
  • 包帯が真っ赤になるほどの出血
  • 手術した脚全体のむくみ
  • 足先が白く冷たくなる
  • しびれ・知覚異常が強い
  • 頭痛・気分不良・発熱

稀に起こりうる合併症・重篤なリスク

治療の種類により異なりますが、以下のような合併症が起こる可能性があります。

  • 血栓性静脈炎
  • 深部静脈血栓症(DVT)・肺塞栓症
  • 神経障害(しびれ・知覚低下)
  • アレルギー反応(硬化療法など)
  • 色素沈着・色素脱失
  • 水疱・びらん・瘢痕(体外照射レーザーなど)

4. 費用

下肢静脈瘤の発生部位や数によって治療費用は異なり、保険診療の範囲(血管内レーザー焼灼術(1470nmレーザー)、血管内高周波焼灼術等)と、自費診療(血管内レーザー焼灼術(1940nm・2000nmレーザー)、体外照射レーザー(ロングパルスYAGレーザー) 等)で費用が異なります。治療の適応・方法・回数・費用・合併症の可能性は、診察と検査(超音波など)に基づき個別にご説明します。保険・自費の適用範囲や、公的負担割合は制度改定等で変わる場合があります。
なお、下肢静脈瘤治療は、医療費控除の対象になり、民間の医療保険が利用できる場合もあります。治療費に関わる必要な情報を提示しましたのでご参考になさってください。

※通院回数や圧迫期間の違いが総負担に影響します。トータルの通院計画もあわせてご説明します。

  • 保険診療:所定の保険点数に基づく自己負担(1〜3割)
  • 自費診療:機器・術式・範囲に応じた料金(事前見積)

初診料・料金表(血管内焼灼術の例)

初診
初診料5,520円
検査診察・血管エコー検査・血液検査
保険or自費 片足 両足 内容
保険レーザー(1470nm)・高周波治療機器 例)34,000円
※症状により変動
例)65,000円
※症状により変動
手術料・再診料・硬化療法
自費レーザー(1940nm・2000nm) 例)275,000円(税込) 例)495,000円(税込) 手術料

※血液検査は手術が適応の場合のみになります。
※保険診療・自費診療に関わらず初診時の自己負担額は同じです。
※料金は発生部位や病変の数・使用機器により変動します。
※保険レーザー(1470nm)・高周波治療機器は健康保険3割負担時の目安です。
※自費レーザー(1940nm・2000nm)費用にはアフターケア費用を含みます。
※術後圧迫ストッキングは必要に応じてご購入いただきます。

医療費控除・保険給付金

  • レーザー治療は「医療費控除」の対象です。
  • 確定申告で約2〜5万円の還付が受けられる場合があります(所得により異なります)。
  • 生命保険・医療保険の手術給付金が適用される場合もあります。

5. 診療の流れ(初診〜日帰り手術〜経過)

  1. 初診:診察・超音波検査・治療計画の共有
  2. 術前検査:血液検査など
  3. 日帰り治療:血管内レーザー焼灼術(1470nm・1940nm・2000nmレーザー)、血管内高周波焼灼術(高周波治療機器)、体外照射レーザー(ロングパルスYAGレーザー)、フォーム硬化療法 等
  4. 術後:歩行開始・生活上の注意・圧迫継続
  5. 再診:エコー確認・圧迫期間の調整・予防指導
治療当日の流れ

6. 症例・実績

  • 日帰り治療総数:41,041件(2025年11月末現在、当院集計)
  • 治療歴:2000年の開院当初から下肢静脈瘤日帰り治療を提供(下肢静脈瘤の日帰り根治手術は開業前の1998年に発案し、他院で実施)

7. よくあるご質問

8. 担当医師

 監修医師  北青山D.CLINIC院長 阿保 義久(あぼ よしひさ)
経歴
所属学会