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下肢静脈瘤治療の自費レーザーと保険レーザーの違い

保険適用の血管内治療

2011年に980nmの保険レーザー治療が登場してから、下肢静脈瘤の患者さんがより治療を受けやすくなりました。2014年5月からは1470nmレーザー(ラディアル2リングファイバー)、6月からは高周波治療器(ラジオ波治療器、RFと呼称されることもある)が、保険収載され、保険治療の質が向上したばかりか、複数の治療選択肢の中から患者さんの状態やニーズにより適した治療法を選ぶことが可能となりました。北青山Dクリニックではこれら最新の保険適用の血管内焼灼術も積極的に提供しています。

1470nmレーザーによる血管内焼灼術

980nmのレーザーの欠点であった「術後の痛み」や「皮下出血」の問題を殆ど解消したレーザー治療法です。レーザーファイバーの先端に特殊加工が施され、レーザービームがファイバーから放射状にかつ2重に放出されるため効率良く血管の処理が可能になっています。他の血管内治療法に比べて照射時間が長く、レーザーを血管内に挿入する際に使用するカテーテルが太いことが欠点です。

高周波治療器(ラジオ波/RF)による血管内焼灼術

高周波治療器はそもそもレーザー治療器より早くから開発されていた治療法で、高温により血管壁を閉塞させるものです。しかし、血管の閉塞率がレーザーに比べて劣っていたため普及してきませんでした。その後、機器が改良され、血管を処理する温度が80℃から120℃まで高められたことにより血管壁の閉塞率が改善し、980nmレーザーと同等の閉塞率であることが確認され保険収載になりました。980nmのレーザーに比べて術後の痛みが少なく手術時間が短いのが特徴です。欠点としては15mmを超える血管の処理には不安があるのと、処理部分が短い血管や蛇行の強い血管では治療が難しい場合がある点です。

北青山Dクリニックでは患者さんの下肢静脈瘤の状態やニーズに応じて以上の治療器を使い分けて治療を実施します。初診時の診察、血管エコー検査により治療法を確定します。

自費レーザーと保険レーザー/高周波治療

北青山Dクリニックでは、下肢静脈瘤のレーザー治療の選択ができます

下肢静脈瘤治療レーザー機能比較

レーザーの波長と開発の変遷

下肢静脈瘤レーザーは1990年頃に開発され、以降改良が進んでいます。レーザーの個性はその波長であらわされますが、より波長の長いレーザーが開発されるようになってきました。現在下肢静脈瘤の治療において最も高機能の機種は、波長が最も長い2000nmのレーザーです。

810nm→980nm→1320nm→1470nm→2000nm

波長が長いと何が違うのでしょうか

波長による水への吸収率の違い レーザー吸収率曲線
波長 吸収率
レーザー吸収率曲線

2000nmの吸収率は980nmの300倍!

810nm 0.02
980nm 0.7
1320nm 1.0
1470nm 30
2000nm 200

水への吸収率が良いと何が良いのでしょうか

レーザーの水分への吸収効率が良いということは、次のような利点があります。

  • 短時間での処置が可能
  • 低エネルギーでの処置が可能 → 他組織へのダメージが少ない

したがって、より体にやさしく安全で、合併症のリスクも少ない手術が可能といえます。

保険適用について

2011年からレーザーとしては3世代前の980nmが保険適用になりました。また、2014年により高性能の水吸収型である1470nmのレーザーが保険収載され、これは、患者さんにとって福音であると言えます。

しかし、1470 nmのレーザーは水吸収率が2000nmに比べても相当に小さいので、1470nmのレーザーが保険収載された後も、最高波長で、高品質の治療を希望される方には、自費診療にはなりますが2000nmのレーザー治療を提供していきます。

レーザーの性能による制限に加えて、保険診療による制約もあるため、引き続き、より少ない通院回数や手術中、手術後の痛みの軽減など、ホスピタリティを含めて高品質の医療を希望される方への治療選択肢を確保することは極めて重要であると考えています。

「2000nm」レーザーと「980および1470nm」レーザーの利点と欠点

2000NMレーザー
利点・特徴
  • 現存のレーザーで最高の水吸収率を有する=組織との反応が最も優れていると言える
  • 手術時間が短い
  • 手術時の痛みは全くと言って良いほど感じない
  • レーザーを刺入するための針穴が小さい
  • 処理が必要な血管が何か所であっても1回の治療で対応できる
    →処理する血管の数が増えても治療費は変わらない
  • 硬化療法が必要な場合はレーザー治療同日に実施できる
  • 通院日数が少なくて済む
  • 術後の痛みが少なく回復が早い
  • ガイドラインではレーザー適用外とされている重症例にも対応できる
  • 初診当日治療を行うこともできる(要予約)
欠点
  • 自費診療となる

2000nmレーザーによる治療の対象となる方

  • 最高波長の(水吸収率が最も良い)レーザーで治療を受けたい
  • できるだけ早い回復を希望する
  • 通院回数を最小限にしたい(できれば一度の治療で治したい)
  • 手術中の痛みを最小限にしたい
  • 術後の痛みを最小限にしたい
  • 遠方から治療を受けに来る
  • 初診当日に治療を希望する
  • 重症例
  • 複雑な静脈瘤
  • 他院ではレーザー治療できないと言われた
  • 見た目の改善も重視している

一方で保険適用となるレーザーの特性は以下のようにまとめられます。

980NM および1470NMレーザー(2014年保険収載見込み)
利点
  • 保険診療のため治療費負担が軽減される
欠点
  • 複数の血管を処理する場合は、1回の治療で対応できない
    →別の日に改めて残りの血管の治療を行わなければならない
    通院回数が増え、治療費が都度加算される
  • 硬化療法が必要な場合でもレーザー治療と同時に実施できない
  • 手術後、2週間以降に改めて治療を予定する必要がある
  • 通院日数が結果として多くなる
  • 弾性ストッキングの着用期間が長い
  • ガイドライン上は重症例には対応できない
  • 初診当日に治療を実施していない

2000nmについて

2010年 日本静脈学会での比較研究

2000、1320、980nmのレーザー治療効果を比較検討した研究で、治療効果として最も重要な血管閉塞率、合併症の発症率、患者の満足度の全てにおいて2000nmが最も良い成績を残しています。 (2010年 日本静脈学会総会)

北青山Dクリニックでは、現在下肢静脈瘤レーザー治療機器の中で最長の波長をもつ2000nmのレーザーによる臨床効果を他のレーザーと比較検討するるため、2005年7月から2009年6月にかけて531肢に施行した治療の臨床効果、及びそれらについて6カ月以上の経過観察を行い、2010年日本静脈学会総会の会長要望演題として発表しました。

手術後の血管閉塞率

手術後の血管閉塞率

合併症の発生件数

手術後に併発した合併症は、痛み、熱感、かゆみ、その他異常感覚など有害な自覚症状は2000nmレーザーではあらわれませんでした。

合併症の発生件数

治療満足度

手術後に併発した合併症は、痛み、熱感、かゆみ、その他異常感覚など有害な自覚症状は2000nmレーザーではあらわれませんでした。 北青山Dクリニックでは、現在下肢静脈瘤レーザー治療機器の中で最長の波長をもつ2000nmのレーザーによる臨床効果を他のレーザーと比較検討するるため、2005年7月から2009年6月にかけて531肢に施行した治療の臨床効果、及びそれらについて6カ月以上の経過観察を行い、2010年日本静脈学会総会の会長要望演題として発表しました。

治療満足度

高周波(RF/ラジオ波)治療器が保険治療器としてラインアップされました。

高周波治療器はレーザー治療器よりも前に下肢静脈瘤治療に用いられていました。しかし、高周波治療器は、そのファイバーが発する高い熱によって血管壁を癒着させ治療効果を得るものですが再開通率がレーザーに比べて大きいことが問題でした。

その後、元来80℃までしか熱をつくれなかった高周波治療器が120℃で血管を処理できるように改良され、閉塞率が改善したため今後の普及が期待されます。この治療器は施術時間が短く術後の痛みも少ないのが特徴です。日本でも980nmの保険レーザーと比較試験が行われ、それと同等であることが確認され保険収載されました。

拡張径の大きな静脈瘤の治療法については更なる検証が必要と考えます。北青山Dクリニックでは、保険治療を希望し、血管拡張が極端に大きくない方には、この高周波治療器による血管焼灼術を提供していく予定です。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会

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