下肢静脈瘤の血管内高周波焼灼術治療

目次

血管内高周波焼灼術とは

血管内高周波焼灼術(RFA:Radio Frequency Ablation)は、血管内レーザー焼灼術と同様に伏在型の下肢静脈瘤の低侵襲治療(体に負担の小さな回復の早い治療)の一つです。

高周波とは一般的な定義では10kHz以上の電磁波のことを言います。医療分野では周波数の高い交流電流のことを指します。高周波電流は人体に対する刺激が少なく安全性が大きいので医療分野では様々な形で応用されています。例えば、電気メスやがん治療で用いられるラジオ波焼灼術が代表的です。下肢静脈瘤に対する高周波治療はファイバー先端のラディエーターで高周波(ラジオ波)により作られた高熱により血管壁を熱凝固させることにより血管内腔を閉塞させます。

レーザーはファイバーの先端からレーザービームが照射されますが、高周波はファイバー先端の7㎝長のヒーティングコイルエレメントから一様に高熱が発生されて血管が処理されます。波長1470nmのレーザーと同様に2014年に日本でも保険収載されています。1470nmのレーザーよりも手術時間が短いのが特徴ですが、照射部位が短い血管や極端に蛇行が強い静脈の処理には向きません。ファイバー先端に7㎝長のコイルエレメントがあり、高周波電流で120℃に加熱されます。この熱が血管壁に伝導されて内腔が閉塞します。レーザー焼灼術と治療における手技はほぼ同等です。局所麻酔と静脈麻酔を用いて、治療対象血管に針による穿刺で挿入したカテーテルを介して高周波ファイバーで処理します。治療後の経過もレーザーとほとんど変わりません。

血管内高周波焼灼術(RFA:Radio Frequency Ablation)
ヒーティングコイルエレメント

メリット

  • 保険適用の1470nmのレーザーに比べて照射時間が短い(1470nmレーザー:3~7分、高周波:2~3分)。

デメリット

  • 照射部位が短い血管の焼灼ができない。
  • 極端に蛇行が強い静脈の治療に適さない。
  • 拡張径が大きい静脈(例:20㎜以上)の治療効果が不確実。

当院の血管内高周波焼灼術治療の特徴

静脈瘤の性状に応じて1470nmレーザーと高周波を使い分けて対応できるので、あらゆる静脈瘤に対しても保険適用の治療で対応できます。高周波ファイバーはシングルユース(再利用はしない 1回の治療で破棄)なので治療による水平感染のリスクがありません。

参照元

監修医師

 監修医師  北青山D.CLINIC院長 
阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴
所属学会