再生医療(幹細胞治療)|よくある質問・費用・副作用【北青山D.CLINIC】

再生医療(幹細胞治療)よくある質問

費用・細胞数・リスク・回数など、診察前によく寄せられる42問に、7年間の実績データと出典をもとにお答えします。

このページは、カウンセリングで実際にいただくご質問をまとめたものです。数値は、当院のレジストリ(2019年4月〜2025年12月、449名・2,212回)と査読論文に基づいています。ここに書かれていないことも、診察の場でお尋ねください。

はじめにお読みください

本ページの回答は、効果を保証するものではありません。治療の適応・効果・リスクには個人差があります。自家脂肪由来間葉系幹細胞治療は保険適用外の自由診療で、医薬品医療機器等法上の承認を得た医薬品・医療機器を用いる治療ではありません。詳しくは末尾の「本記事で扱う自由診療について」をご確認ください。

1.再生医療全般について

Q1再生医療とは何ですか

細胞そのもの、または細胞がつくり出す物質を用いて、損なわれた組織や臓器の機能の回復を目指す医療の総称です。当院が提供しているのは、患者さんご自身の脂肪から取り出した間葉系幹細胞を培養して投与する治療です。

再生医療とは

Q2幹細胞治療と再生医療は同じですか

幹細胞治療は再生医療の一部です。生きた細胞を体に戻す治療を幹細胞治療と呼びます。細胞を含まない培養上清液やエクソソームは、現在の法律では「再生医療等」に含まれません。

Q3幹細胞にはどんな種類がありますか

大きく、多能性幹細胞(iPS細胞・ES細胞)と組織幹細胞(脂肪由来・骨髄由来など)に分かれます。多能性幹細胞はあらゆる細胞に変化できる一方、発がんリスクの管理や倫理的課題が議論されています。組織幹細胞は発がんリスクが極めて低いことが特徴です。

<解説>幹細胞とは

Q4なぜ脂肪由来の幹細胞が使われるのですか

①局所麻酔下で低侵襲に採取できる、②脂肪・骨・軟骨・筋への分化能を持つ、③増殖能が強く、増殖に伴う老化の影響や分化能の低下が少ない、という特徴があるためです。

<解説>組織幹細胞・間葉系幹細胞

Q5幹細胞はどのように効くのですか

現在の理解では、主なはたらきは細胞が放出するシグナル(パラクライン作用)によって、炎症をしずめ、免疫のバランスを整え、組織が修復しやすい環境をつくることだと考えられています。傷んだ組織に分化して置き換わることは、主な機序ではありません。

幹細胞治療はどう効くのか

Q6再生医療は法律でどう扱われていますか

「再生医療等安全性確保法」により、細胞を用いる医療は第一種〜第三種に分類されます。医療機関は疾患ごと・投与法ごとに提供計画を作成し、認定委員会の審査を経て厚生労働省に届け出なければ提供できません。届出済みの計画は厚生労働省のサイトで誰でも確認できます。

再生医療は、どのように提供が認められていますか

Q7幹細胞培養上清液(幹細胞セクレトーム)は再生医療ですか

細胞を含まないため、現在の法律では「再生医療等」に含まれず、規制の対象外です。厚生労働省は「諸外国を含め、有効性・安全性が示されて薬事承認を得た医薬品は存在しない」と示しており、2026年時点で規制の議論が進んでいます。

培養上清液(セクレトーム)とは

2.当院の治療と適応について

Q8当院ではどんな治療を行っていますか

患者さんご自身の脂肪から分離・培養した自家脂肪由来間葉系幹細胞を投与する治療です。2019年から提供し、2025年12月までに449名・2,212回の実績があります。

7年間の治療実績

Q9どんな疾患が対象になりますか

当院は15の疾患・病態について、第二種再生医療等提供計画23件を厚生労働省に届け出ています(慢性疼痛、動脈硬化症、認知機能障害、運動器障害、神経変性疾患、心不全、慢性肺疾患、慢性腎臓病、肝機能障害、炎症性腸疾患、加齢による機能低下、糖尿病、不妊症、脱毛症、動脈瘤)。適応は必ず診察のうえで判断します。

適応疾患と厚生労働省受理番号 ショート動画:再生医療治療対象

Q10高齢でも治療を受けられますか

当院で治療を受けられた方の年齢は18〜92歳、平均61.5歳です。年齢が上がるほど細胞の増殖能は低下する傾向がありますが、高齢の方の治療実績もあります。適応の可否は、年齢だけでなく全身状態と目的を含めて診察で判断します。

ショート動画:高齢者でも治療は受けられるか

Q11動脈硬化・心筋梗塞に対して有効ですか

すでに心筋梗塞を発症した後の組織を元に戻すことは、現状では困難です。動脈硬化については、当院の探索的な解析で頸動脈の内膜中膜肥厚度(IMT)の数値改善を確認していますが、対照群のない観察データであり効果を証明するものではありません。頸動脈のプラークや血管の硬さを指摘された方は、診察でご相談ください。

7年間の治療実績 ショート動画:動脈硬化に対する再生医療

Q12がん治療中でも受けられますか

がん細胞に取り込まれる可能性を否定できないため、がん治療中の方への投与はお勧めしていません。適応の可否は診察で個別に判断します。

Q13効果はどのくらいの期間で現れますか

数週間から数か月かけて徐々に変化が現れる方が多いとされています。効果の有無・程度・持続期間には大きな個人差があり、保証はできません。

ショート動画:効果はどれくらい持続するか

3.細胞と培養(CPC)について

Q14幹細胞はどこから採取するのですか

腹部の皮下脂肪から、数ミリの切開で米粒2個ほどの脂肪組織を採取します。局所麻酔下で約15分です。傷は小さく、当日からシャワーが可能です。

ショート動画:幹細胞はどこから採取するのか

Q15培養のために採血が必要と聞きました。どのくらい採りますか

細胞を培養する際には、ご自身の血清を用いるのが基本です。血清の確保は脂肪を採取する際に行い、必要な血液量は120mlほどです。ご自身の血清の使用を希望されない場合や、血清の状態に問題がある場合は、無血清培地を用いることも可能です。

Q16無血清培養法を選べますか

選べます。当院では従来の自家血清培養法に加えて、無血清培養法もご用意しています。治療の目的・ご体調・ご希望に応じて、それぞれの特徴をご説明したうえで、どちらで進めるかを決めていきます。培地によって費用が異なります。

費用

Q17幹細胞は何個投与されますか

1回あたり5千万〜2億個で、2019〜2025年の平均は約1.15億個/回です(当院レジストリ)。当院は細胞数を保証していません。

「幹細胞○億個を保証」は何を意味するのか ショート動画:細胞はどれくらい増やせるのか

Q18なぜ細胞数を保証しないのですか

数を約束するには、採れる細胞が少ない場合に継代を重ね、培養期間を延ばして増やし続ける必要があります。継代を重ねた間葉系幹細胞は免疫を調整する力が低下することが報告されており、臨床試験の解析でも静脈投与の至適用量は1〜1.5億個で、2億個以上では効果が低下する傾向が示されています。当院は継代3〜5回以内・培養3〜4週間以内を基準としています。

「幹細胞○億個を保証」は何を意味するのか

Q19培養にはどのくらいかかりますか

当院の基準は3〜4週間以内です。採れる細胞の数と増え方には個人差があるため、基準の範囲内で培養の状況を見ながら進めます。

「幹細胞○億個を保証」は何を意味するのか

Q20良い細胞と悪い細胞を分ける機器があると聞きました

幹細胞の状態は、形態・大きさ・均一さなどから評価します。これらは細胞培養加工士が培養の過程で確認し、状態のよくない細胞を除去することで対応できるものです。機械的にふるい分ければ済むという単純なものではありません。細胞の分離を効率化する機器はありますが、適切な分離法に基づいて作業すれば、必須のものではないと考えています。

「幹細胞○億個を保証」は何を意味するのか

Q21細胞培養加工施設(CPC)はどこにありますか

院内6階の第1CPC(施設番号FC3210045、2018年開設)と、隣接ビルの第2CPC(ARK WISE 細胞培養加工施設、施設番号FA3250001、2025年9月許可取得)の2施設です。細胞培養加工士が常駐しています。外部への輸送を経ずに投与できる体制です。

細胞培養加工施設(CPC)について ショート動画:当院のこだわり1(院内CPC)

Q22CPCを2施設に増やしたことで、患者にはどんな利点がありますか

同時に進められる培養の数が増えたため、治療までの待機期間の短縮や、スケジュールの調整がしやすくなりました。また、一方の施設で設備の点検や不具合があった場合にも、もう一方で対応できます(設備の冗長化)。

細胞培養加工施設(CPC)について

Q23細胞の品質はどう確認していますか

培養法の妥当性確認のため、間葉系幹細胞に特有の陽性マーカー・陰性マーカーの発現を指標とした評価体制を確保しています。医学的に必要と判断される場合や患者さんのご希望があった場合には、フローサイトメーターを用いてマーカー発現を定量的に解析します。

幹細胞の品質評価(細胞表面マーカー) ショート動画:幹細胞の品質へのこだわり

Q24CPCの見学はできますか

細菌やウイルスの外部からの侵入を防ぐため、関係者以外の入室はお断りしています。特別な理由で設備の確認が必要な場合は、関係者同伴のうえ、作業管理区域外の廊下からのぞき窓を介してご確認いただくことは可能です。ただし、細胞培養加工士が培養や細胞の回収を行っている時間帯は、作業への集中を妨げるため見学をお断りしています。ご理解をお願いいたします。

細胞培養加工施設(CPC)について

Q251回の脂肪採取で何回の治療ができますか

個人差がありますが、培養した細胞を-196℃で凍結保管し、複数回の治療に用いることができます。増殖能が高い方では10回程度の治療が可能なケースもあります。保管細胞は追加投与の際に拡大培養して用います。

ショート動画:1回の採取で何回治療できるか

Q26凍結保管にはどんな利点がありますか

①患者さんのスケジュールに合わせて計画的に投与できる、②1回の脂肪採取で繰り返し治療を行える、という利点があります。治療を継続中の方は保管料をいただいていません。

動画:超低温冷凍保管の意義と効果(15分49秒)

4.投与と治療の流れについて

Q27治療の流れを教えてください

①初診・カウンセリング(60分程度、オンライン可)と血液検査、②脂肪採取・血清採血(計1時間程度)、③細胞培養(3〜4週間)、④投与(1時間〜1時間半)、⑤経過観察(1・3・6・12か月)という流れです。

治療の流れ ショート動画:治療の流れ

Q28投与の経路にはどんなものがありますか

点滴(静脈内)、局所注射(Cアーム/X線透視誘導下を含む)、髄腔内投与、動脈カテーテル投与の4経路です。疾患・治療の目標・安全性の要件に応じて選択し、併用することもあります。

幹細胞の投与経路の違い ショート動画:幹細胞投与ルート(点滴・局所注射・髄腔内・動脈カテーテル)

Q29どの経路が一番効きますか

疾患と目標によって適した経路は異なり、一律に優劣を比較できるものではありません。全身性の炎症・免疫の調整には点滴、関節には局所投与、脳神経系には髄腔内投与というように使い分けます。

幹細胞の投与経路の違い

Q30投与経路を変えたり増やしたりすると費用は上がりますか

投与経路の変更や複数経路の併用による追加費用はありません。

Q31何回くらい受ける方が多いですか

2019〜2025年の集計では、1人あたり平均4.9回、68.2%の方が3回以上受けています。必要な回数は疾患と目標によります。

7年間の治療実績

5.安全性とリスクについて

Q32再生医療(幹細胞治療)にリスクはありますか

あります。採血時の穿刺部疼痛・皮下出血・神経障害、脂肪採取部の疼痛・内出血・感染・硬結・色素沈着、培養時の培養遅延・微生物汚染、投与時の発熱・血圧上昇・悪寒・注射部痛・呼吸症状(血栓塞栓症)、髄腔内投与後の一過性の腰痛・下肢痛などが挙げられます。特に血管内投与では、不適切な速度・細胞数で投与すると肺血栓塞栓症などの重大なリスクを招く可能性があるため、当院では投与速度と細胞数の管理、SpO₂モニタリング、予防的ヘパリン(5,000単位)の併用を行っています。

治療のリスク ショート動画:再生医療のリスク

Q33幹細胞は大きいと聞きました。血管が詰まることはありませんか

幹細胞(直径10〜20μm)が赤血球(7〜8μm)より大きいことは事実です。ただし、白血球の一種である単球は直径30μmほどあり、計算上、全身にはこれが常時8億個程度流れています。当院は1回の治療で5千万〜2億個を1時間ほどかけてゆっくり投与しており、適切な速度と量で投与すれば血管系への負担は大きくないと考えています。当院ではこれまで、幹細胞の投与により毛細血管の閉塞をきたした例は経験していません。ただしリスクがゼロではないため、投与速度と細胞数の管理、SpO₂モニタリング、予防的ヘパリン(5,000単位)の併用を行っています。

7年間の治療実績

Q34これまでに重篤な有害事象はありましたか

2019年4月〜2025年12月の449名・2,212回・553.5人年で、重篤な有害事象は0件です。血栓塞栓症・入院・治療関連死亡もありません。ただし、発生しなかったという事実であり、リスクがゼロという意味ではありません(重篤有害事象発生率の上側95%信頼区間は1回あたり0.14%)。

7年間の治療実績 ショート動画:再生医療の安全性についての検証(有害事象発生数)

Q35軽い副作用はどのくらいの頻度で起きますか

発熱が5.3%(Grade 2は0.2%)、一過性の血圧上昇が14.0%(40mmHg以上の上昇は1.3%)、軽度のSpO₂低下が0.4%の患者さんにみられました。いずれも一過性で、介入なしに消失しています。髄腔内投与では、一過性の腰痛・下肢痛が6件(髄腔内投与327件あたり2.0%)、くも膜嚢胞の発生が1件(0.3%)報告されています。

7年間の治療実績

Q36幹細胞治療でがん化する心配はありますか

幹細胞の種類によって異なります。iPS細胞やES細胞では腫瘍化のリスクが懸念されていますが、当院で用いる脂肪由来の間葉系幹細胞は臨床で広く使われており、がん化のリスクは低いとされています。ただし、がん細胞に取り込まれる可能性は否定できないため、がん治療中の方への投与はお勧めしていません。

ショート動画:がん化する心配はあるか

Q37万一のときの補償はどうなりますか

未承認の医薬品等を用いる自由診療のため、医薬品副作用被害救済制度等の公的救済制度の対象にはなりません。再生医療等安全性確保法第10条に基づき、重篤な有害事象が発生した場合は厚生労働大臣への速やかな報告が義務づけられています。補償の取り扱いについては、治療前の説明と同意の場で必ずご確認ください。

Q38治療の実施体制はどのように審査されていますか

当院が2018年に設立した「北青山Dクリニック特定認定再生医療等委員会」(委員会番号NA8170004)が、提供計画の安全性・妥当性を審査しています。提供開始後は年1回の定期報告を行い、実施状況・安全性・有効性を公表しています。

北青山Dクリニック特定認定再生医療等委員会

6.費用と保険について

Q39再生医療は保険がききますか

当院の幹細胞治療・培養上清液は保険適用外の自由診療(全額自己負担)です。なお、重度の半月板損傷に対する一部の再生医療等製品など、承認済みの製品を用いる治療が保険適用となっている例はあります。

Q40治療費はいくらですか

自家血清培地の場合、脂肪採取+細胞培養+投与で150万円(税込165万円)、保管細胞投与が75〜100万円(税込82.5〜110万円)です。無血清培地の場合はそれぞれ200万円(税込220万円)、100〜150万円(税込110〜165万円)です。別途、カウンセリング5,000円(税込5,500円)、血液検査20,000円(税込22,000円)がかかります。長期保管を希望される場合は年間20万円(税込22万円、治療継続中は不要)です。

費用 治療の費用(詳細ページ)

Q41治療費が高額なのはなぜですか

保険診療の対象外で全額自費となることに加え、①細胞培養に使用する資材のコストが高いこと、②安全な培養環境であるクリーンルーム(細胞培養加工施設)の維持・管理費用がかかることが主な理由です。

ショート動画:なぜ治療費が高額なのか

Q42疾患や投与方法によって費用は変わりますか

疾患・投与法によって治療費が変わる設定ではありません。投与経路や投与部位数による追加費用もありません。

関連ページ・出典

さらに詳しく

出典

ここに掲載していないご質問も、カウンセリングでお尋ねください。オンラインでの対応も可能です。

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