再生医療(幹細胞治療)|7年間の安全性と実績データ【北青山D.CLINIC】

自家脂肪由来間葉系幹細胞治療 7年間の治療実績(2019年4月〜2025年12月)

449名・2,212回・553.5人年で重篤な有害事象は0件でした。数値は国際学術誌の査読を経て採択された論文に基づいて公開しています。

当院の自家脂肪由来間葉系幹細胞治療は、2019年4月から2025年12月までに449名の患者さんに2,212回行われ、累積追跡553.5人年で重篤な有害事象は0件でした。このページは、国際学術誌 Stem Cell Research & Therapy に査読を経て採択された論文(現在、早期公開版を公開中)に基づく当院レジストリの数値を、更新履歴付きで公開するものです。対照群のない観察データであり、治療効果を証明するものではありません。

  • 449名対象患者数
  • 2,212回総投与回数
  • 553.5人年累積追跡期間
  • 0件重篤な有害事象

このページで分かること

  • 患者背景・投与回数・投与経路・投与細胞数の実数
  • 有害事象の内訳(CTCAE)と、重篤有害事象0件が意味すること
  • 疾患別の有効性指標と継続治療率、そしてこのデータの限界

7年間の臨床実績データ|再生医療の安全性と効果を医師が解説(再生医療レポート2026)

2026年7月24日公開解説:北青山D.CLINIC 院長 阿保 義久公式YouTube

2019年から2026年までの7年間、449名・2,212回の臨床実績データをもとに、当院における再生医療(自家脂肪由来間葉系幹細胞治療)の安全性と治療効果について院長が解説します。

この動画で解説している内容

  • 対象期間と症例数(2019年4月〜2025年12月/449名・2,212回・553.5人年)
  • 投与経路別の実施回数と、経路を選択する考え方
  • 有害事象の内訳と、重篤有害事象0件をどう受け止めるべきか
  • 疾患別に用いている評価指標(VAS・頸動脈IMT・認知機能チェックシート・d-ROMsほか)と数値の推移
  • 疾患別の継続治療率と、その数字が意味しないこと

1.集計の基準日について

本ページの数値の基準日

当院は、集計の基準日が異なる2種類の数値を公開しています。ひとつは第三者の査読を受けた論文の集計値(患者単位)、もうひとつは院内レジストリの最新集計(投与件数単位)です。どちらの数値も同じレジストリに由来しますが、集計の単位と期間が異なるため、同じ項目でも数値は一致しません。本ページでは、どの表がどちらの集計に基づくかを表ごとに明記しています。

2.対象と方法

単施設の後ろ向き観察研究(レジストリ)です。対象は2019年4月〜2025年12月に当院で自家脂肪由来間葉系幹細胞治療を受けた全患者449名。投与後1・3・6・12か月に評価を行い、追跡率は90.9%(408/449名)でした。第二種再生医療等提供計画23件(15疾患)に基づいて実施しています。

患者背景(2019年4月〜2025年12月/査読論文の集計)
項目 内容
対象患者数449名
性別男性247名/女性202名
平均年齢61.5歳(18〜92歳)
総投与回数2,212回(1人あたり平均4.9回、最多55回)
3回以上の施術を受けた割合68.2%
累積追跡期間553.5人年
追跡率90.9%(408/449名)
評価時点投与後1・3・6・12か月
根拠となる提供計画第二種再生医療等提供計画23件(15疾患)

「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」に則り、年1回の定期報告を実施しています。実施状況(受診患者数)、安全性(疾病等の発生状況および経過)、有効性(科学的妥当性の評価)等の情報を適切に公表し、透明性の高い医療提供に努めています。

再生医療等委員会への定期報告について

2026年3月12日公開54秒解説:北青山D.CLINIC 院長 阿保 義久

北青山Dクリニック特定認定再生医療等委員会への定期報告について、院長がご紹介します。

この動画で解説している内容

  • 再生医療等安全性確保法に基づき、年1回の定期報告が義務づけられていること
  • 報告する内容(実施状況=受診患者数、安全性=疾病等の発生状況および経過、有効性=科学的妥当性の評価)
  • 報告内容は厚生労働省のサイトで公開され、誰でも確認できること

3.投与回数と投与経路

同じ細胞でも、投与経路が違えば体内での分布は大きく変わります。当院は点滴(静脈内)を基本としながら、局所注射、髄腔内投与、動脈カテーテル投与を疾患と目標に応じて選択・併用しています。実際に行った経路の組み合わせと回数を、そのまま公開します。

表1 投与経路の組み合わせ別 施術回数(2019年4月〜2025年12月/査読論文の集計)
投与経路 施術回数 患者数
点滴(静脈内)のみ1,380345名
点滴+局所注射454134名
髄腔内17853名
点滴+髄腔内12050名
動脈カテーテル259名
点滴+髄腔内+局所153名
その他の組み合わせ40―
合計2,212449名

1人あたり平均4.9回、68.2%の患者さんが3回以上の施術を受けています(最多55回)。静脈投与を含むセッションは約89%で、投与時に予防的ヘパリン5,000単位を併用し、点滴速度の管理とSpO₂モニタリングを行っています。局所投与には、Cアーム(X線透視)誘導下の椎間板内・脊椎周囲への投与を含みます。

4.投与細胞数と細胞の基準

当院は継代回数3〜5回以内・培養期間3〜4週間以内を基準とし、投与細胞数を保証しません。基準を守った結果としての細胞数を、そのまま公開しています。

表2 年別の投与細胞数(2019年4月〜2025年12月/査読論文の集計)
年 平均±SD(×108個) 最大(×108個)
2019年1.38±0.372.34
2020年1.30±0.342.42
2021年1.31±0.483.18
2022年1.12±0.362.17
2023年1.08±0.402.26
2024年1.04±0.462.98
2025年1.15±0.523.71
全期間1.15±0.453.71(最小0.04)

※ 1×108個=1億個。全期間の平均は1回あたり約1.15億個です。

細胞の品質基準
項目 当院の基準
継代回数3〜5回以内
培養期間3〜4週間以内
投与細胞数5千万〜2億個(保証はしません)
培養の場所院内の細胞培養加工施設2施設(施設番号 FC3210045/FA3250001)
品質の確認間葉系幹細胞に特有の陽性マーカー・陰性マーカーの発現を指標とした評価体制。必要時・ご希望時にフローサイトメーターで定量解析

5.安全性:有害事象の内訳

再生医療等安全性確保法 第10条に基づき、重篤な有害事象が発生した場合は厚生労働大臣への速やかな報告が義務付けられています。当院では治療開始以来、補償対象となるような重篤な事例の発生はありません。以下に、報告されたすべての事象を内訳とともに公開します。

表3 有害事象の内訳(2019年4月〜2025年12月/患者449名・2,212回・査読論文の集計)
有害事象 グレード(CTCAE) 件数 患者数(割合)
発熱Grade 1(2℃未満の上昇)2524名(5.3%)
発熱Grade 2(2℃以上の上昇)11名(0.2%)
血圧上昇20〜40mmHg7763名(14.0%)
血圧上昇40mmHg以上66名(1.3%)
SpO₂低下軽度・一過性22名(0.4%)
重篤有害事象(SAE)―00名(0%)

すべての有害事象は一過性で、介入なしに消失しました。施術を中止した症例はありません。血栓塞栓症、入院、治療関連死亡はいずれも0件です。重篤有害事象の発生率の上側95%信頼区間は、1回あたり0.14%です。

6.疾患別の有効性指標

当院では、投与前後の客観的な指標に基づいて経過を評価しています。以下は各領域における集計の要約です。いずれも対照群のない探索的な解析であり、治療効果を証明するものではありません。個々の症例の経過には個人差があります。

疾患別に用いている評価指標と集計の要旨
領域 用いた指標 結果の要旨
慢性疼痛(変形性関節症等)VAS(視覚的評価スケール)ほか全評価項目で治療後の有意な改善
動脈硬化頸動脈の内膜中膜肥厚度(IMT)投与後の数値改善を確認
認知機能低下認知機能チェックシート多くの症例でスコアの改善・維持
加齢に伴う機能低下血中d-ROMs(酸化ストレス指標)活性酸素ダメージの軽減が示唆
心不全・慢性肺疾患・糖尿病NT-proBNP/KL-6/HbA1c各指標で数値の低下を確認

慢性疼痛(変形性関節症等)

VAS(視覚的評価スケール)等を用い、疼痛の程度を多角的に評価した結果、全評価項目において治療後の有意な改善が認められています。

慢性疼痛に対する再生医療前後の疼痛スコア改善比較グラフ

慢性疼痛に対する再生医療前後の疼痛スコア改善比較(対照群のない探索的解析/2025年院内レジストリ)

動脈硬化

動脈硬化の指標である「頸動脈の内膜中膜肥厚度(IMT)」の計測において、投与後の数値改善を確認しています。

動脈硬化指標(内膜中膜肥厚度)の治療前後における改善グラフ

動脈硬化指標(内膜中膜肥厚度)の治療前後における推移(対照群のない探索的解析/2025年院内レジストリ)

認知機能低下(認知症)

認知機能チェックシートによるスコアリングの結果、多くの症例で認知機能低下スコアの改善・維持が見られています。

認知機能チェックシートに基づく認知機能スコアの改善推移グラフ

認知機能チェックシートに基づく認知機能スコアの推移(対照群のない探索的解析/2025年院内レジストリ)

加齢に伴う身体的・生理的機能低下

体内の酸化ストレスの指標(血中d-ROMs値)を測定し、加齢に伴う活性酸素ダメージの軽減が示唆されています。

加齢に伴う酸化ストレス指標(d-ROMsテスト)の改善結果グラフ

加齢に伴う酸化ストレス指標(d-ROMsテスト)の推移(対照群のない探索的解析/2025年院内レジストリ)

心不全・慢性肺疾患・糖尿病

心機能(NT-proBNP)、肺機能(KL-6)、糖尿病(HbA1c)の各バイオマーカーにおいて数値の低下を確認しています。症例数は限定的です。

心不全・肺疾患・糖尿病の主要指標における改善傾向を示すグラフ

心不全・肺疾患・糖尿病の主要指標の推移(症例数は限定的で、対照群のない探索的解析/2025年院内レジストリ)

▶ 再生医療|幹細胞治療の効果と適応 ─ 効きやすい5つの領域(院長ブログ)

7.疾患別の継続治療率

初回治療(初期投与)の終了後、凍結保管された細胞を用いて追加投与(治療継続)を選択された患者さんの割合です。これは患者さんが治療の継続を選択した割合であり、効果を示す指標ではありません。

表4 疾患別の追加投与・継続治療選択率(2025年/院内レジストリ)
対象疾患・症状 初回治療後に追加投与を選択した割合
慢性疼痛90.7%
動脈硬化88.9%
加齢による機能低下(老化)86.0%
認知機能障害80.0%
神経変性疾患78.0%

各疾患における継続治療割合のグラフ

各疾患における継続治療割合(北青山D.CLINIC)

継続を選択されるケースには、当初の目的のさらなる改善や、他の症状への副次的な効果を期待される方も含まれます。一方で、初期治療で十分な満足を得られた、あるいは期待した効果が見られなかった等の理由で終了されるケースもあります。継続率の高低から治療効果を推し量ることはできません。

8.このデータの限界

  • 対照群のない単施設の観察データであり、治療効果を証明するものではありません。
  • 追跡から外れた9.1%の患者さんの転帰は含まれていません。
  • 疾患別の評価結果(慢性疼痛・動脈硬化・認知機能など)は論文および動画で公開していますが、いずれも探索的な解析です。
  • 重篤有害事象0件は「2,212回の観察で発生しなかった」という事実であり、リスクがゼロであることを意味しません(上側95%信頼区間は1回あたり0.14%)。
  • 継続治療率は、患者さんが継続を選択した割合であり、効果の指標ではありません。

数値をそのまま公開することと、その数値から言えることを限定して述べることは、両立すると考えています。ご不明な点は、診察の場でお尋ねください。

9.更新履歴

  • 2026年9月25日初版公開(査読論文(採択・早期公開版)の集計値/対象期間 2019年4月〜2025年12月)

10.よくある質問

Q&A
Q. 重篤な有害事象が0件なら、安全と言えますか

A. 2,212回の観察で発生しなかったという事実であり、リスクがゼロという意味ではありません。重篤有害事象の発生率の上側95%信頼区間は、1回あたり0.14%です。
Q. 髄腔内投与の合併症はありましたか

A. 一過性の腰痛・下肢痛が6件(髄腔内投与327件あたり2.0%)、くも膜嚢胞の発生が1件(0.3%)報告されています。いずれも重篤有害事象には該当しませんでした。
Q. このデータはどこで検証されていますか

A. 国際学術誌 Stem Cell Research & Therapy(Springer Nature/BMC発行、査読制・オープンアクセス)で第三者の査読を受け、採択・受理されています。現在、正式公開に先立ち早期公開版(Article in Press)を公開しています(正式版の公開までには2〜3か月程度を要する見込みです)。査読を経て採択されたことは、治療効果が証明されたことを意味するものではありません。
Q. 継続治療率が高いのは効果があるからですか

A. 継続を選択した割合であり、効果を示す指標ではありません。効果の評価は疾患ごとの探索的解析にとどまります。
Q. 「2,268件」と「2,212回」はどちらが正しいのですか

A. どちらも当院の同じレジストリの数値です。2,212回は査読論文の対象期間(2019年4月〜2025年12月)の集計値、2,268件は院内レジストリの最新集計(2026年1月31日時点の延べ実施件数)です。集計の単位と期間が異なります。

11.出典・関連ページ

出典

このページで紹介した動画

関連ページ

▶ 再生医療|当院の再生医療への取り組み ─449名・2,212件のレジストリと、特定認定再生医療等委員会への定期報告から(院長ブログ)

▶ 再生医療|再生医療の実情と当院の臨床データ解析に関するご報告 2026年6月(院長ブログ)

12.本ページで扱う自由診療について(限定解除事項)