再生医療(幹細胞治療)|治療の費用【北青山D.CLINIC】
再生医療(幹細胞治療)をご検討中の患者さんから、費用に関するご質問を多くいただきます。再生医療は医療機関によって費用の考え方や仕組みが異なります。また昨今再生医療分野で保険適用のニュース※「セイビスカス®注」承認 ※iPS細胞を用いた治療薬が保険適用 もあり、「保険診療」と「自費診療(自由診療)」の位置づけも誤解されやすい領域です。
このページでは、当院(北青山D.CLINIC)の再生医療の費用をご案内するとともに、一般的な幹細胞治療の費用相場や、再生医療がなぜ高額になりやすいのか、そして保険診療と自費診療の違いについて、院長が解説いたします。
1. 当院(北青山D.CLINIC)の再生医療の費用
当院が提供している自家脂肪由来間葉系幹細胞治療(MSC治療)は、患者さんご自身の脂肪組織から採取・培養した細胞を用いる自由診療(保険適用外)です。
| 再生医療(幹細胞治療)費用 | 165万円(税込) |
|---|
- 再生医療に保険は適用されず、自費診療(自由診療)となります。
- 再生医療は再生医療等安全性確保法のもとで実施が義務付けられ、厚生労働省の管理下で行われていますが、自由診療のため治療費用は医療機関ごとに異なります。
- 継続治療を希望される多くの患者さんのご要望にお応えできるよう、細胞の永久保管環境を確保するなど、実用面にも配慮しております。
- 当院では、幹細胞の分離・培養・増殖を行う細胞培養加工施設(CPC)を医療機関内に2か所併設しており、培養後の幹細胞を外部搬送による劣化リスクにさらすことなく、適切なタイミングで速やかに投与できる体制を整えています。※北青山D.CLINICの細胞培養加工施設(CPC)について
自家血清培養法の場合
| 脂肪採取+細胞培養投与 | 165万円(税込) |
|---|---|
| 保管細胞培養投与 | 82.5〜110万円(税込) |
無血清培養法の場合
| 脂肪採取+細胞培養投与 | 220万円(税込) |
|---|---|
| 保管細胞培養投与 | 110〜165万円(税込) |
自家血清培養法は、患者さんご自身の血清を用いるため免疫原性が低いという利点があります。無血清培養法は、標準化された培地を用いるため成分の再現性が高く、動物由来成分によるリスクが低いという特徴があります。どちらの培養法を選択するかは、患者さんの健康状態とご希望を第一基準として、診察の上で判断いたします。
細胞保管費用
| 長期保管を希望する場合に要する費用 | 22万円/年(税込)※ |
|---|
採取・培養した細胞を長期保管し、将来の継続治療に備えたいというご希望にも対応しています。保管をご希望される場合は、上記の年間保管費用が別途かかります。
※計画的に治療を継続されている方々の保管費用は頂戴しておりません。
| 対象疾患 | 厚生労働省に受理された治療計画の対象疾患:慢性疼痛(変形性膝関節症・腰椎症・頚椎症による疼痛等)、動脈硬化症、認知機能障害(軽度認知障害等)、加齢による身体的生理的機能低下、神経変性疾患、スポーツ外傷などによる運動器障害、慢性肺疾患、心不全、慢性腎疾患、肝硬変・肝繊維症などの肝機能障害、炎症性腸疾患、動脈瘤、糖尿病、不妊症、脱毛症。 ※対象疾患詳細 ※効果と適応-効きやすい5つの領域 |
|---|---|
| 診療の枠組み | 再生医療等安全性確保法に基づく自由診療(自費診療) |
治療に含まれる主な工程
- 初診・カウンセリング:治療内容、期待できる効果、リスク、費用について時間をかけてご説明します。
- 脂肪採取:局所麻酔下で、腹部などから少量の脂肪組織を採取します。
- 細胞培養:院内の細胞培養加工施設(CPC)にて、約3〜4週間かけて培養します。
- 投与:点滴・注射等により投与します。
- 経過観察:1・3・6・12か月を目安に、経過を確認します。
当院では2019年4月の提供開始から2025年12月末までに、449名・累計2,212回の投与実績(累計553.5人年)を、後ろ向きレジストリ研究として記録・解析しています。※再生医療の実情と当院の臨床データ解析に関するご報告 2026年6月
当院の強み:病態に応じた投与方法を、追加の手技費用なしで
幹細胞治療の効果を最大限に引き出すためには、細胞の質だけでなく、「どこに、どのように投与するか」という投与方法の選択も重要です。当院では、治療効果を最大限に高めるため、治療内容に合わせて投与方法を変え、最適な投与ルートを選択しています。一般的な局所注射や静脈投与に加え、以下のように経動脈カテーテル投与、髄腔内投与、Cアーム(X線透視装置)を用いた局所投与など、病態に応じて高度な複数の投与方法を組み合わせてご提供しています。
これらの投与手技に関する費用は、あらかじめ治療費に含まれており、投与方法の違いによって追加の費用をいただくことはありません。どの投与方法が適しているかは、対象疾患や症状の部位・程度を踏まえ、医師が個別に判断いたします。
1カテーテルで動脈への投与
動脈投与により幹細胞が肺を介さず(肺にトラップされず)に全身に送達できます。「幹細胞のロスがない(投与細胞数が最大)で、治療効果が高まることが期待できる」「肺梗塞のリスクを回避できる」が動脈投与のメリットとして挙げられます。
2髄腔内投与
当院では、神経変性疾患の患者さんを対象にして、点滴やカテーテルによる経血管的投与のみではなく、脊髄くも膜下腔への投与(髄腔内投与)も可能です。これにより、脳脊髄液を介して、脳神経組織への幹細胞の直接の送達が可能といえます。難治性の神経変性疾患への治療効果を高める送達法として強く期待される方法です。
3Cアーム(X線透視)を用いた投与
リアルタイムのX線透視を使用することで、椎間板内や周囲の病変部へ正確に投与できます。膝・股関節・肘・肩などの関節痛、椎間板症、脊柱管狭窄症、変形性脊椎症など、慢性疼痛に幅広く対応が可能です。
投与方法を組み合わせた治療の例
実際にどのような投与方法が選択されているか、当院で公開している症例の一部をご紹介します(効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません)。
-
症例(9)50代男性 腰痛(慢性疼痛):点滴(全身投与)に加え、Cアーム(X線透視下)による椎間板腔への局所投与を組み合わせた治療例です。
症例の詳細はこちら -
症例(5)40代男性 慢性疼痛(右下肢痛等):点滴と経動脈カテーテル投与を組み合わせた治療例です。
症例の詳細はこちら -
症例(4)90代女性 動脈硬化(および慢性疼痛):点滴と局所注射を組み合わせた治療例です。
症例の詳細はこちら -
症例(2)70代女性 慢性疼痛(両膝関節痛):点滴と局所注射(関節内投与)を組み合わせた治療例です。
症例の詳細はこちら
2. なぜ再生医療(幹細胞治療)は高額になりやすいのか──院長解説
自家由来の幹細胞治療(MSC治療)は、1回あたり150〜300万円程度が相場とされ、決して安価な医療ではありません。これは特定の医療機関の価格設定というより、再生医療という医療分野そのものが持つ、構造的なコスト要因によるものです。
「1回の製造単位が1」という構造
もっとも大きな理由は、通常の医薬品と異なり、自家細胞治療では「その患者さんご本人専用の細胞」を個別に培養する点にあります。通常の医薬品は1回の製造で大量に生産することでコストを分散できますが、自家細胞治療では患者さんごとに製造単位が「1」であるため、大量生産によるコスト分散が構造的にできません。この論点は、国の薬価決定機関である中央社会保険医療協議会(中医協)でも繰り返し議論されてきました。
コストを構成する主な要因
- ・細胞培養加工施設(CPC)の設備投資・維持管理費と減価償却
- ・培地(細胞を育てるための培養液)を含めた高純度材料費
- ・個別培養にあたる専門技術者(細胞培養加工士)の人件費
- ・再生医療等安全性確保法に基づく委員会審査・定期報告等の遵守コスト
- ・厳格な品質管理・無菌操作に要する費用
細胞培養を外部の培養加工施設(CPC)に委託する場合、培養委託費が1回あたり30〜50万円程度、細胞保管料が月1〜2万円程度かかるとされ、外部委託を選ぶ医療機関では、治療費のうち相当の割合が外部への委託費用に充てられる構造になります。
保険適用された再生医療等製品の薬価から見える「原価」
再生医療のコスト構造を考える上で参考になるのが、公的医療保険が適用された再生医療等製品の薬価です。
2019年に条件及び期限付承認のもとで保険適用された脊髄損傷治療用製品「ステミラック注」の薬価は、1回1,495万7,755円です。この薬価は、類似薬が存在しなかったため「原価計算方式」で算定されたもので、製造原価・一般管理販売費・営業利益・流通経費・消費税などを積み上げた基本価格に、先駆け審査指定制度加算が加わったものです。中医協の議論では、健保連委員から「再生医療等製品の特性を踏まえた価格設定ルールが必要」との指摘もあり、厚生労働省も検討を続けている段階です。
この薬価から見えてくるのは、幹細胞を用いた治療の原価そのものが高額になりやすいという構造です。自費診療における150〜300万円という費用も、こうした構造的コストを踏まえると、単純な「暴利」ではなく、医療機関側が最大限コストを抑える努力を積み重ねた結果としての価格である場合が多いと考えられます。
参考:国内の自費再生医療(自家脂肪由来幹細胞治療)費用の相場(2026年現在)
| 治療内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 関節治療(変形性膝関節症等) | 120〜350万円 |
| 全身性疾患(糖尿病等) | 200〜350万円 |
| 慢性疼痛 | 150〜350万円 |
| 全身投与・抗加齢 | 200〜600万円 |
※上記は国内の自費診療における一般的な相場(自院調べ)であり、医療機関や治療内容によって変動します。当院の費用については「1. 当院の再生医療の費用」をご参照ください。
3. 保険診療と自費診療──再生医療における位置づけ
保険適用が進む再生医療等製品
近年、再生医療等製品の一部は公的医療保険の対象となっています。たとえば、2026年5月には、iPS細胞由来のパーキンソン病治療薬「アムシェプリ」や心筋シート「リハート」が、条件及び期限付承認のもとで保険適用となりました。同時期には、半月板損傷治療用の「セイビスカス®注」が国内初の本承認を取得しています。
ただし、これらの保険適用製品は、対象疾患・症例が厳格に限定されており、実施できる医療機関も市販後臨床試験を担う専門施設に限られます。「保険適用」となったことが、直ちに「誰でも身近な医療機関で受けられる」ことを意味するわけではない点に注意が必要です。
多くの幹細胞治療は「自由診療」であること
当院で提供している自家脂肪由来間葉系幹細胞治療(MSC治療)は、上記の保険適用製品とは異なり、再生医療等安全性確保法の枠組みのもとで提供される自由診療です。特定認定再生医療等委員会の審査と、厚生労働省への届出を経て実施しており、公的医療保険の対象ではなく、費用は全額自己負担となります。
用いる細胞の種類、対象疾患、想定される作用機序は、保険適用された製品とそれぞれ異なります。どちらが優れているというものではなく、それぞれ異なる役割を持つ治療として位置づけられています。
4. 費用に影響する主な要因
- 細胞培養の実施体制:細胞培養加工施設(CPC)を医療機関が自院内に持つか、外部の培養加工施設に委託するかによって、コスト構造が異なります。当院では2019年の提供開始時から自院内にCPCを設置し、2025年には二重化(増設)を行い、採取から培養・投与までを院内で一貫して行う体制を維持しています。※北青山D.CLINICの細胞培養加工施設(CPC)について
- 投与方法:点滴静注、関節内注射、動脈投与、髄腔内投与など、投与経路によって必要な処置・管理が異なります。当院では追加費用を頂いていません。
- 投与回数・治療期間:対象疾患や症状によって、必要な投与回数・期間は患者さんごとに異なります。
5. よくあるご質問(Q&A)
Q1再生医療(幹細胞治療)はなぜこんなに高額なのですか?
A. 自家細胞を用いる治療は、患者さんご本人専用の細胞を個別に培養するため、医薬品のような大量生産によるコスト分散ができません。細胞培養加工施設の維持費、培地などの材料費、専門技術者の人件費、法律に基づく審査・報告体制の維持費などが積み上がることが、高額になりやすい主な理由です。
Q2再生医療は保険で受けられますか?
A. 一部の再生医療等製品は条件及び期限付承認等の枠組みで保険適用されていますが、対象疾患・実施医療機関が限定されています。当院で提供している自家脂肪由来幹細胞治療(MSC治療)は、再生医療等安全性確保法に基づく自由診療であり、公的医療保険の対象ではありません。
Q3治療費以外にかかる費用はありますか?
A. 初診時のカウンセリングや必要な検査、経過観察のための診察などが治療計画に含まれます。また、採取・培養した細胞の長期保管をご希望される場合は、年間22万円(税込)※の保管費用が別途かかります。
※計画的に治療を継続されている方々の保管費用は頂戴しておりません。
費用の内訳や、追加でご負担いただく可能性がある項目については、契約前の説明時に個別にご案内しています。
Q4投与方法(点滴・局所注射・カテーテル投与等)によって追加費用がかかりますか?
A. 当院では、点滴による全身投与、局所注射、経動脈カテーテル投与、髄腔内投与、Cアームを用いた局所投与など、病態に応じて投与方法を選択していますが、これらの投与手技に関する費用はあらかじめ治療費に含まれています。投与方法の違いによって追加の手技費用をいただくことはありません。
Q5医療機関によって再生医療の費用が違うのはなぜですか?
A. 細胞培養を院内で行うか外部委託するか、投与方法や投与回数、治療計画の内容などによって、必要なコスト構造が医療機関ごとに異なるためです。
Q6保険適用された再生医療等製品と、当院の自由診療の幹細胞治療は同じものですか?
A. いいえ、異なります。保険適用製品は特定の疾患・症例に対して国の承認を受けた製品で、実施できる医療機関・対象患者が厳格に限定されています。当院の治療は、再生医療等安全性確保法の枠組みのもとで提供される自由診療であり、用いる細胞や対象疾患、想定される作用機序が異なります。
Q7再生医療の費用は医療費控除の対象になりますか?
A. 自由診療であっても、治療を目的とするものは医療費控除の対象となる場合があります。個別の適用可否については、税務署または税理士にご確認ください。
6. 費用に関するご相談について
当院では、カウンセリング時に、期待できる効果だけでなく、限界・リスク・費用・回数、そして「治療を受けない」という選択肢まで含めて、時間をかけてご説明することを大切にしています。
ご自身の症状に適した治療かどうか、費用も含めてご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に外来でご相談ください。
自由診療に関する重要事項
- 本ページでご紹介している自家脂肪由来間葉系幹細胞治療(MSC治療)は、再生医療等安全性確保法に基づく自由診療であり、公的医療保険の適用対象ではありません。
- 標準的な費用:自家血清培養法の場合165万円(税込)、無血清培養法の場合220万円(税込)。保管細胞培養投与は自家血清培養法82.5〜110万円(税込)、無血清培養法110〜165万円(税込)。計画的に治療を継続されている方々の保管費用は頂戴しておりませんが、長期保管をご希望の場合は22万円/年(税込)が別途必要です。いずれも疾患・治療計画により異なります。
- 治療期間・回数:患者さんごとの治療計画により異なります(当院実績:患者さんあたり平均4.9回の投与。脂肪採取から初回投与までの標準的な期間は約3〜4週間)。
- 主なリスク・副作用:軽度の発熱、血圧上昇、酸素飽和度の一時的低下等が報告されています(当院の2,212回の施術実績において重篤な有害事象の報告はありません)。効果には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるとは限りません。
- 本ページの内容は、当院が独自に収集した診療データ、および公表されている学術・行政情報に基づいて作成しています。