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新型コロナ感染症/COVID-19問題を合理的に解決するための方策

2020.04.23 北青山D.CLINIC 院長 阿保義久



1. はじめに


2020年4月7日緊急事態宣言が発令されてから2週間が経過した。COVID-19の管理に追われる医療現場からは困窮の極みともとれる叫びが日々聞こえてくる。経済活動も衰退し、多くの方々が不安に苛まれる状況が続いている。当院は、感染症を専門に対応する医療機関ではなく、がん遺伝子治療、再生医療、予防医療、血管やヘルニアのレーザー手術などに主として取り組んでいるが、COVID-19については院内で感染事例が発生しないように最大限の注意を払っている(末尾※COVID-19 水平感染予防のための注意点)。
COVID-19の治療を直接担当している機能病院の医療スタッフの方々には、同業者として敬意の念を抱かざるを得ない。人員補充、医療用具を含めた十分な医療インフラの充足、そして待遇改善を求める現場からの悲痛な声も気になるところだ。私としては、問題解決につながる本質的な方策の提言が最低でも必要だと感じている。
この状況下で、私は感染症管理の専門家ではないが、一臨床医として、一市民として、COVID-19問題を解決する合理的な施策について考察することとした。

2.現状確認・分析


まず、改めて、①COVID-19の難点 ②現状 ③社会的問題点 ④一般的な施策など について触れる。

(1)COVID-19の難点
  • 無症状者が感染媒体となる→潜在的に感染が拡大し罹患人口が急激に増える
  • 生活環境に付着するウイルスの残存期間が長い→知らぬ間に感染するリスクあり
  • 突然重症化することがある→PCR陽性者は軽症者でも経過観察必要
  • 高齢者の重症化率・致死率が大きい→介護施設、医療機関の水平感染は致命的


(2)現状 (closed caseの評価、東京の感染状況)

① ダイヤモンドプリンセス号の症例 (3,711名中 感染者705名 死亡6名)

   人口分布高齢者寄り
   罹患率  19%
   無症状率 61%
   致死率  0.85%(死亡者は全員70歳以上)

人口分布が高齢者寄りで、清潔・不潔エリアのゾーニングが徹底されていなかった閉鎖空間に2週間以上隔離されていたという感染蔓延が生じやすい環境であったことを考慮すると、実社会では罹患率や致死率はもっと低く無症状率は高くなると予想される。



② 自衛隊中央病院でのダイヤモンドプリンセス号COVID-19患者104人の経過

<症例の特徴>
   平均年齢:68歳(48.75~75)、男性:45.2%
   国籍:東アジア52.9%を含む、17の国と地域
   基礎疾患:あり48.1%(心血管系31.7%、内分泌系[甲状腺疾患等]8.7%、糖尿病6.7%、呼吸器系6.7%、がん3.8%)
   喫煙歴:あり17.3%
<重症度、主な臨床症状(ともに入院時/全観察期間)>
   重症度
   無症状:41.3%/31.7%
   軽症:39.4%/41.3%
   重症:19.2%/26.9%
    ★無症候性及び軽症例でも半数にCTで異常所見 →2/3は軽快 1/3は増悪
   臨床症状(一部抜粋)
   発熱:28.8%/32.7%
   咳嗽:27.9%/41.3%
   呼吸困難:6.7%/18.3%
   頻呼吸:15.4%/23.1%
   SpO2<93%:2.9%/13.5%
<重症化のサイン>
   症状増悪は初発から7-10日目に発生
   高齢者 SpO2(血中酸素飽和度)の低下
   若年者 頻呼吸(1分間に25回以上)
<酸素投与が必要だった症例>
   全体の13.5% (半数は高流量酸素投与が必要)
      1例(0.96%)が気管挿管による人工呼吸器管理

<治療内容・成果>
   全体の7%が酸素投与、1%が人工呼吸器
   重症例では抗ウイルス薬投与も実施
   約1か月で全員退院 死亡者0 

COVID-19患者の自衛隊中央病院での管理は、患者は50歳前後以上で約半数は基礎疾患をもつなど、若年の健康な患者に偏っていたわけではないことから、実臨床で妥当な医療管理ができれば多くが救命可能となる可能性を示唆する結果。ただし、特に死亡率の高い80歳以上の症例はなかった。


グラフは中国のデータ 
70歳以上が死亡例の80%
85歳以上は死亡率が14.9%と突出している



③ 東京の感染状況 (2020/4/22現在)

陽性者数(累計)        3,439 人
入院中             2,461 人
軽症・中等症           2,399 人
重症                62 人

死亡                81 人
退院(療養期間経過を含む)     897 人


④ 医療現場からの声

  • 高度医療機関が新型コロナ感染症の軽中等症患者受け入れ病院となったため癌の手術など高度な治療が実施できなくなり、救急患者の受け入れも断らざるを得ない。
  • 軽中等症の患者さんは病室で寝ているだけで特別な管理が必要なわけではない。待機している医療スタッフの人的資源が無駄。
  • 東京で現在入院中の患者の大多数は軽症・中等症。自宅管理で対応可能なレベル。
  • アビガン備蓄の意味が分からない(現場での任意の使用を許可すべき)。
  • 特に医療現場では抗体検査を速やかに実施させてほしい。
  • PCR陽性でなくとも、CT所見や臨床経過からCOVID-19と確定診断できる症例はあるが保健所がPCR陽性でないとCOVID-19として対応してくれない。
  • アビガンはおろか、既存薬のオルベスコも新規の処方が制限を受けている。(医療機関の裁量で有効と判断できる投薬が自由にできない。)


(3) 社会的問題点
  

A. 医療崩壊のリスク(院内感染、医療機能破綻)
B. 経済活動低迷

感染初期はクラスター対策においてPCR検査を抑制し医療機関に患者が殺到する事態を抑制したことから医療崩壊を抑えたという評価はできるが、PCR検査の裁量を医療現場に委ねなかったことから、実態の把握や感染動向が掌握できていないばかりか、医療機関で感染陽性者の同定・隔離が遅れ、結果として院内感染を助長している。
感染症法によりCOVID-19は指定感染症となっており、PCR陽性により入院が義務付けられるが、本来自宅管理で対応可能な例も入院が義務付けられているため、病床が多くの軽症感染者で占拠され、緊急性が大きい医療行為が実施できない状況が多発。結果としてCOVID-19以外の死亡者が増え、相対的に死亡率が増大するリスクがある。
PCR検査の実施のみならず、CT所見などからの診断確定、退院の適応など、本来臨床医の裁量により実施・判断される事項が行政により規定されているため適切な医療施策が行えない。
COVID-19が収束に向かわないことには経済活動の目途が立たない。



(4) 終息(集団免疫確立)のための施策
A. 緩徐なシナリオ(適度な行動制限の下で緩やかな感染拡大、ワクチン完成を待機)
B. 能動的シナリオ(積極的社会活動容認、感染拡大は急激だが集団免疫獲得は速い)

終息には集団免疫の確立が必要。適切なワクチンがない段階では、感染して回復を果たす人が過半数を超える(60-70%程度)必要がある。医療崩壊を防ぐためには適度な行動制限の下で、緩徐に感染を受け入れてコントロールする必要がある。ただしこれは時間が相応に必要(2年程度との予測が多い)。
仮に完全にロックダウンすると、感染の収束は速やかに得られるが、集団免疫が確立されないため、感染再燃・流行を繰り返すことになる。すなわちその都度ロックダウンが必要となる。
一方、行動制限をせずに、感染拡大を完全に受け入れると医療崩壊を招き死亡者数が激増する。ただし終息は速い。



3.考察

 

ダイヤモンドプリンセス号でのCOVID-19の罹患状況から経過3-4週間における実社会での患者発生状況を、また、自衛隊中央病院の治療実績から実臨床での臨床経過を予測することができる。
感染症管理において劣悪な環境であったダイヤモンドプリンセス号でのCOVID-19の感染率や致死率に比べると、実社会においてはそれらより小さいと仮定できるので、東京都の全人口の10%が感染(ダイヤモンドプリンセスの約半分)、その13.5%が酸素投与必要(自衛隊中央病院参考)と仮定すると、単純に1000万人×0.1×0.135=13.5万人となる。流石に短期間でこの患者数が発生した場合、東京都下の医療機関では全く収容できない。
一方、現在東京都で3,000人のCOVID-19患者が発生していると言われているが、実際の患者数はその50倍以上の可能性があると言われている。すなわち最低15万人は罹患している(明らかな症状がないだけ)可能性がある。この潜在患者達は既にCOVID-19に対する免疫(抗体)を持っている可能性があるが、ある集団がCOVID-19を凌駕するために必要な集団免疫は60~70%と言われているので、東京で集団免疫が完成されるまでの道は長い。
すなわち、収束のための施策は、 上記2.(4)Aにあるように防御的に進めざるを得ない。しかし、現状、東京の医療機関はCOVID-19の管理に追われ、心臓・脳血管障害等の救急管理や癌治療に対する医療資源が確保されていない。これでは、COVID-19以外の疾患による死亡率が増大するリスクがある。
また、現時点で東京都の入院患者2,461人のうち重症例60人前後であり、多くは特に医療資源を必要としないベッド上安静管理のみの患者さんで、現場からはこの不適切な状況を変えるべきだとの声が聞こえる。そして、感染症法の規定の下、PCR陽性者は医療機関に収容されなければならず、一旦入院管理されると、軽症で経過してもPCR検査で陰性の結果が2回連続しないと行政の取り決めで退院が許可されないため、無症状なのに院内に拘束されて寝ているだけの患者さんがずっと病床を占拠するという事態が生じている。
一方、COVID-19の基本再生産数(一人の患者が何人の患者にうつすか)は2.5程度と言われており、集団免疫が60-70%にならないと(集団の6-7割に抗体がつかないと)このウイルスを終息させることができない。
集団免疫を確立させるために必要なワクチンの開発には早くても1年程度要することから、既存の治療薬で効果があるものを超法規的に柔軟に現場で適宜使用することを検討する必要がある。



4.対策

できれば緊急事態宣言解除前に、2週間程度以下の方針で医療機関側、政府筋が、上記2.(3)を解決しながら、収束、さらには終息に進むための、施策検証を以下のごとくすべきではなかろうか。

医療機関

  • 確定診断を受けた者でも、症状が軽症である場合や、同居者に高齢者がいない場合は入院隔離せず、2週間は自宅隔離とする。自宅待機中に7~10日程度は重症化のリスクは0ではないので、経過観察を継続し、呼吸苦、息切れ、頻呼吸などのサインがあったら即医療機関を受診してもらう。また、入院管理中に症状が軽快し無症状となったらPCRの陰転が確認できなくても退院とし自宅待機する(自宅に高齢者、妊婦、医療従事者がいる場合は入院継続)。必要な自宅待機期間は、無症状の状態が2週間維持されるまでとする。
  • 軽症者には、アセトアミノフェン、アジスロマイシン、カモスタット、ナファモスタットなどの処方で対応、高熱の方や酸素投与以上の管理を要する方など入院適応があると医療機関が判断する方には重症化する前に早期に積極的にアビガンを投与する。
  • IgG抗体検査が実施できるようになったら、医療従事者を優先して検査を実施する。また、COVID-19以外の医療行為(手術、検査など)の提供が必要な患者さんにおいてもIgG抗体検査の実施が望ましい。
  • 医療従事者で抗体陽性者は、完全ではないが感染リスクが少ないことから、業務範囲を拡張し感染対策の医療資源として機能しやすくなる。この抗体検査は感染の既往を確認するもので、特にIgG抗体が陽性の場合は免疫が獲得されている可能性が大きい。広く実施できるようになれば集団免疫が獲得されたかの確認もできる。
  • PCR検査は除外診断に用いるべきではないが、感染が疑われる人は躊躇せず検査を行う。その場合は、できれば、ドライブスルー方式のような屋外の換気の良い所に被験者が車で乗り入れて実施するなど検査を実施する側の感染予防も大切。

政府筋

  • 軽症者でも感染が否定できない者はPCR実施を医療機関の裁量で実施させる。
  • 指定感染症扱いは維持しつつ、COVID-19の確定診断を受けた軽症者は隔離入院ではなく自宅待機、高齢者への接触を断つ(2週間程度)ことを原則とし、入院の適否は医療機関の裁量下に委ねる。
  • 退院の適応についてPCR検査に完全に依拠することをやめさせる。
  • IgG抗体検査の速やかな導入を進める。


※ COVID-19 水平感染予防のための注意点

1. 感染形式として ①飛沫感染(エアロゾル) ②接触感染
2. ①の中でエアロゾルと呼ばれる微粒子は呼気にも含まれ肺胞にまで到達するので要注意。ただし、2mほどの距離を保たれていれば飛沫後乾燥により感染力は失活する。ただし、湿度が高いと乾燥が損なわれて空気中で30分ほど感染力が維持される。ポイントは保ウイルス者との2m以上の距離の確保と周囲環境の乾燥。すなわち換気を積極的に行うことは非常に有効。
②接触感染は、粘性のある大きな飛沫が落下した部位に触れた手指を顔や髪を触ることで発生する。この場合、粘液でウイルスが保護されているため付着部位は3~5日間感染力が保持される。糞便中にもウイルスの混在の可能性はある。すなわち、保ウイルス者が排泄した飛沫が汚染した部位、もしくは汚染した手指で触れた部位、便器には、直接触れないことが大原則である。保ウイルス者の飛沫等が飛散した、ないしは触れた可能性がある部位は原則としてアルコール消毒(必要に応じて酸性水で代用)し、消毒作業をする者は、マスク、ゴーグルの着用、最低白衣などでのガウンテクニックを徹底、作業後は十分に石鹸水で手指を洗浄し、白衣他ユニホームの着替えを徹底。着替え後も再度手指の同様の手洗いを行う(白衣などに触れた手指は汚染されている可能性あり)。



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