下肢静脈瘤が重症化し潰瘍になってしまった例varixlaser

この患者さんは84歳の女性でした。

左下腿(ふくらはぎ)に潰瘍ができてしまい、いくつも病院を受診したにもかかわらず症状が改善しないため当院を受診されました。息子さんが医療関係者でいらっしゃったのでいろいろ聞いて治療を受けてきたがなかなか治らない、現役で仕事をしているのでどうにかしたいとのことでした。

拝見すると左下肢に典型的な静脈瘤があったので、早速最高波長2000nmレーザーで治療し、同時に硬化療法も行いました。しばらく経過観察をしていましたが、本人いわく「嘘のように」潰瘍が改善していきました。

※治療の特徴・リスク・費用はこちら

【治療前】

【治療後】

治療後1-2か月で写真のようにほとんど改善しました。

先日久しぶりに来院されて診察したのですが、86歳になる今もしっかり歩いて元気に働かれているとのことでした。

下肢静脈瘤が国の労働力に悪影響を来している」というアメリカの論文を目にしたことがありますが、確かにこのようにひどい潰瘍になってしまうと仕事どころではないでしょう。重症化する前に早期治療をすることをお勧めします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆治療のリスク・費用◆
潰瘍を伴う重症な静脈瘤の治療

(特徴・リスク)
血管内照射術後に肉眼的な症状の回復には数か月~1年程度要します。
潰瘍の治療のために手術後の定期的な通院が必要です。

(治療費用)
保険適用レーザー
総額で25,000円(1割負担)~80,000円(3割負担)/片脚。

自費レーザーなど
総額が250,000~350,000円(税別)/片脚

ーーーーーーーーーーーーーーー

体外照射タイプのレーザーによる治療

(特徴)
波長1064nmのロングパルスYAGレーザーを用いて、外部から血管(皮膚)に対して直接レーザーを照射します。
照射スポットは血管の太さに応じて1㎜~3㎜程度に調整します。
脱毛やシミ治療のレーザーと同様の負担なので、日常生活の制限はありません。
治療範囲が広い場合は静脈麻酔や笑気麻酔を加える場合があります。
治療が複数回必要な場合が多いです。一般的には3回以上の治療回数を要します。
治療間隔は最低1-2カ月は空ける必要があります。

(合併症、リスク)
一過性の発赤や色素沈着が生じる場合があります。
極めて稀に火傷の後のようなびらん、潰瘍を来す場合があります。
回復に数か月~2年程要することがあります。

(治療費用)
10㎝四方の範囲の治療が1万円です。
脚全体を照射する場合は片脚上限10万円(税別)で対応しています。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会