心血管ドック

心血管ドック

現代社会において、心臓血管病はガン、脳卒中と並んで成人の主たる死因のひとつです。 とりわけ「急性心筋梗塞」、「不安定狭心症」、「心臓突然死」などの「急性冠症候群」は、さっきまで何ら症状なく普通に生活していた方に突然発症し重篤な状態に陥る恐ろしい疾患群で、極めて注目されています。 言うまでもなく、急性冠症候群を含む心臓血管病は、その予防や早期発見・早期治療に心掛けるべき代表的な疾患群です。
「急性冠症候群」など致死的心臓血管病の主原因が、動脈硬化およびそれに関連した血栓症です。動脈硬化とは、慢性的に動脈壁に様々な刺激(高血圧、喫煙、糖尿病、脂質異常症、活性酸素ストレスなど)が加わることにより、動脈壁の内側の膜が損傷を受け、膜が不規則に肥厚する現象(プラーク形成)や欠損する現象(びらん)を来します。それを背景にして、炎症や血流停滞などの刺激が加わると急激に血栓が血管内に発生して、血管内が忽然と閉塞し、血流が遮断されてしまうことがあります。それにより血流が組織に届かなくなって、細胞が壊死してしまいます(梗塞)。このような現象は、急性血栓性閉塞と呼ばれ、心臓の冠動脈のみでなく、脳、眼、腎臓、消化管、下肢など全身に分布する動脈に発生し得ます。 動脈硬化の発症や悪化を放置ししたために、急性血栓閉塞により特に心臓や脳などの重要臓器が壊死に陥ると致死的な重篤な状態に陥りかねないのです。
すなわち、動脈硬化発症のリスク群と心臓血管のコンディションを定期的に評価し、心臓血管イベント(心臓血管病)の発症リスクを最小限に抑える日常生活を送ることが現代において極めて大切であることは言うまでもありません。そのための一助として当クリニックの心血管ドックがお役に立てれば幸いです。

検査内容と費用

  • ・身体計測(身長・体重・体脂肪率)
  • ・尿一般検査
  • ・血液一般検査
  • ・動脈硬化リスク検査
  • ・動脈硬化度測定(CAVI検査/血圧脈波検査)
  • ・胸部X線検査
  • ・安静時心電図検査
  • ・心エコー検査
  • ・頚動脈エコー検査
  • ・フリーラジカル分析

オプション項目

  • ・心臓冠動脈造影CT検査
  • ・24時間心電図検査
  • ・運動負荷心電図検査

特徴

※医師による問診、身体計測、血圧測定、血液尿検査、胸部X線検査などで、現在抱えている動脈硬化のリスクファクターを評価します。

※動脈硬化は全身の動脈に共通して認められます。まず、CAVI検査により全身の血管の硬化度の評価を行います。また、頚動脈エコー検査で頚動脈の動脈硬化の程度を評価することにより、心臓の冠動脈や脳動脈などの機能的に重要な血管の動脈硬化の程度も推測することが可能となります。

※フリーラジカル分析機器「FRAS4」を使用して、加齢共に過剰に産生され動脈硬化の発症リスクとなる活性酵素やフリーラジカルの分析測定を行います。これにより、活性酵素・フリーラジカルによる体の損傷の程度や、体内にある活性酵素・フリーラジカルを消去する力を評価します。

※安静時心電図検査、心エコー検査により、何らかの心臓病が発生していないかどうか確認します。これらの検査により、虚血性心疾患だけでなく、心臓弁膜症や心筋症など他の心臓疾患のスクリーニングもあわせて行うことが出来ます。

※必要に応じて、心臓冠造影CT検査、運動負荷心電図検査、24時間心電図検査などによりさらに精査します(オプション)。

実施日 費用 オプション
金・土曜日 15:00~18:00 ¥55,000(税込) ・心臓冠動脈造影CT検査
・ホルター心電図検査
・運動負荷心電図検査

北青山Dクリニックの人間ドック提携・紹介先医療機関

北青山Dクリニックでは、追加治療や精査が必要であると判断した患者様方については、以下の医療機関へご紹介しております。他に受診希望の医療機関がある場合でも、ご案内が可能ですのでお気軽にお申し付けください。

  • ・東大医学部附属病院
  • ・慶応義塾大学病院
  • ・虎の門病院
  • ・JR東京総合病院
  • ・日本赤十字医療センター
  • ・三楽病院
  • ・NTT東日本関東病院
  • ・心臓血管研究所附属病院
  • ・榊原記念病院
  • ・がん研有明病院
  • ・国立がんセンター
  • ・三井記念病院
  • ・帝京大学医学部付属病院
  • ・名古屋大学医学部附属病院
  • ・日本大学病院
  • ・北里大学北里研究所病院

虚血性心疾患とは?

心臓は自律的に収縮、拡張を繰り返す筋肉(心筋)からできており、それにより心臓は血液を全身に送るポンプの働きを担うことが可能となります。心筋も生きている組織なので、自分自身を栄養するため常に酸素化された血液を供給されつづけなければ、十分なポンプ機能を果たすことができません。
そこで人間には心筋を養うための特別な血管(冠状動脈)が心臓の外壁にそって存在します。この冠状動脈の内腔が動脈硬化により狭くなるとそこを流れて心筋に供給される血流量も当然減少し、心筋が慢性的な血流不足の状態に陥ります。このような状態のもと、運動や入浴などでさらに心臓に負荷をかけると心筋は極度の血流不足となり、それが胸痛という症状であらわれます。これが狭心症です。

また動脈硬化による冠状動脈の内腔の狭小化がさらに進行し血管内膜が不整(プラーク形成、びらん形成)となると血栓症が誘発されやすくなります。発生した血栓により完全に冠動脈が閉塞すると心筋を栄養する血流が完全に途絶し、その領域の心筋は壊死します。これが心筋梗塞です。

心筋梗塞はその発症と同時に致死的な不整脈を生じたり、心臓壁が破裂したり、また心臓のポンプとしての機能が急激に低下してしまったりすることで突然死を引き起こす可能性があります(急性冠症候群)。また運良く突然死を免れたとしても、心筋梗塞によって一旦死んでしまった心筋が再び生き返ることはなく、その後様々な後遺症を患うこととなります。
心血管ドックではこの虚血性心疾患の予防についても特に注視しています。