血管内レーザー治療の保険適用についてvarixlaser

下肢静脈瘤の血管内レーザー治療が早ければ来年くらいから健康保険適用になる動きがあるようです。

これにより現在自費診療のレーザー治療の費用が軽減されることが期待されます。ただし、保険診療で使用できるレーザーは、治験を経て厚労省に認可されたものに限られるため(エルビス社の980nmのみ)、最新型のレーザーを使用する場合は保険診療とはなりません。

Dクリニックでは980nm、1320nm、そして最新型の2000nmのレーザーを完備して治療を行っておりますが、治療効果の最も大きい2000nmを希望される方が多いため、レーザー治療に保険診療が適用されるようになったとしても、この2000nmの治療は自費診療の形で継続することになります。

国内の保険診療で使用できる機器は必ず国内での治験を行って認可を得なければならず、治験にかかる時間とその後認可が下りるまでの時間を合わせると短くても数年は必要です。その間に治療効果の高い新しいレーザーが開発されるので最新のレーザーは保険診療とはなりません。そして現時点では980nmのレーザー以外は治験を行う目途が立ってません。国内で治験を行うのに、莫大な費用と手間や時間がかかるので、海外で既に有用性が認められている最新レーザーを扱う業者はわざわざ保険申請の意欲を示さないようです。そして現在血管内レーザー治療で使用されるレーザーは全て海外で開発されたものであり、海外で新しいレーザーの開発が続き、その中で最新で有効性が認められたものを輸入して使用する動きがある限り、保険診療用のレーザーと自費診療となる最新型のレーザーの二本立てで治療が行われることになります。

980nmのレーザーも安定したレーザーですが、治療効果の高さを示すレーザーの水への吸収率の大きさは、波長が長くなるほど大きくなるので(現状では2000nmがピーク)、理論上ベストの治療効果を求める方には2000nmのレーザーによる治療を提案することになります。

そうは言っても、980nmを用いた血管内レーザー治療が保険認可を得そうだということは多くの患者さんにとって福音です。治療ができずに悩み苦しむ多くの下肢静脈瘤の患者さんたちが、一日も早くストレスなく有効な治療を受けることができるようになるよう尽力したいと思います。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会