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生活要因と静脈瘤:横断的研究方法が危険因子の過小評価を招く結果となっているか?

目的

喫煙や飲酒、食事などの要因が、静脈瘤の形成にどのように関与しているかを評価する。

方法

一般人口の中年期4903人を対象とし、研究開始時から5年後の静脈瘤発生頻度を評価した。生活習慣についても、研究開始時と経過観察の最後の時点での状態を評価した。

結果

多変量解析の結果(2202人を対象)、新規の静脈瘤発生は、定期的な飲酒習慣のある場合に統計学的に有意に多く認められた(発生オッズ比 1.5、95%信頼区間 1.05-2.3)。こうした傾向は、女性で特に強く認められた。喫煙者は、非喫煙者に比べ、静脈瘤を有する頻度が高かったが、統計学的には有意差が認められなかった(発生オッズ比 1.3、95%信頼区間 0.9-1.8)。肉類を毎日食事で摂取する対象では、一週間に0から2日、摂取する対象より、新たな静脈瘤の発生が少ないように思われた。

結論

飲酒は、女性における静脈瘤発生の危険性を増加させる傾向にあり、喫煙は、弾性女性共に増加させる傾向が示唆された。これらの所見は、観察研究法では認められたものの、これらの危険因子に関するデータを研究開始時の静脈瘤の発生頻度と比べると、有意な結果が認められなかった。

Journal

Plebology 2010
Lifestyle factors and varicose veins: dose cross-sectional design result in underestimate of the risk?