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大伏在静脈に対する血管内レーザー焼灼術の、高位結紮術を伴ったストリッピング手術に匹敵する有効性について: 無作為化臨床試験(RELACS研究)

目的

大伏在静脈(GSV)の機能不全に対する標準的な治療である、高位結紮術を伴ったストリッピング手術(HLS)と、血管内レーザー治療(EVLT)との臨床的な有効性と安全性を比較検討する

研究の様式

2年間の経過観察を行う、2つの施設における無作為化臨床試験

研究の設定

大学病院の皮膚科(EVLT治療グループ)と静脈瘤治療専門クリニック(HLS治療グループ)の、2つの静脈専門治療センターにおける外来患者と入院患者に治療を行う。

患者

GSV機能不全のある400人の患者を無作為に検出し、比較する。

治療

2004年9月から2007年3月までの期間に、GSVの治療として、EVLTまたはHLSを、患者の割合が1:1となるよう割り当てた。結果として、185人(下肢数)がEVLTで、161人がHLSで治療を受けた。

主な結果の判定法

術後の静脈瘤の臨床的再発(REVAS分類、主要研究目的)、伏在静脈・大腿静脈における重複再発、臨床的静脈瘤重症度スコア(ハンブルグ静脈瘤重症度スコア)、血行動態(静脈の再還流時間)、生活の質(慢性静脈機能不全質問表2)、副作用、視覚的アナログ尺度(VAS)に基づいた患者の満足度の評価

結果

手術後、静脈瘤の臨床的再発については、双方で同等に認められている:EVLT治療グループで16.2%であるのに対し、HLS治療グループでは23.1%(P=0.15)。また、Duplexエコーで確認された伏在静脈起始部の再発については、EVLTの方が有意に多く認められた(EVLT 17.8%、HLS 1.3%、P<0.001)。病状や(ハンブルグ静脈瘤重症度スコア)疾患に関連した生活の質について、どちらのグループにも同等の改善を認めている。EVLTで治療した患者では、より多くの副作用を認めているが、血行動態や、術後の回復の早さ、また、整容的な観点からは、あきらな利点が認められた。

結論

EVLTとHLSは、GSVの機能不全に対する治療として、共に同じく安全かつ有効な手術法といえる。EVLTは、伏在静脈起始部の再発がより多く認められており、これについてさらなる研究が必要と思われる。

ジャーナル

Arch Dermatol.2012;148(1):49-58
Comparable effectiveness of endovenous laser ablation and high ligation with stripping of the great saphenous vein: Two-year results of a randomized clinical trial