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大伏在静脈のストリッピング手術と血管内レーザー焼灼術のランダム化比較試験早期成績

要約

このスタディでは大伏在静脈手術後の患者の苦痛や治療結果についてストリッピング手術と血管内レーザー治療とで比較した。いずれも高位結紮術を併用した。

対象はCEAP重症度分類グレード2~4の大伏在静脈領域の一次性下肢静脈瘤ランダム化患者100名。術後評価は血管パルスドップラーエコーを用いて、術後1週目、4週目、16週目に実施した。一次評価項目は、1週目の皮下出血のサイズ、4週目のCIVIQスコア、二次評価項目は、術後の症状(疼痛、鎮痛剤の使用、足関節知覚異常、血腫遺残)、合併症、復職までの時間、患者の見た目の満足度、16週目のCIVIQスコアとした。

両群間に患者特性の差はなく95名の患者がプロトコール通り経過観察できた。全ての患者で手術は成功した。皮下血腫は明らかに血管内レーザー焼灼術(EVLA)後の方がストリッピング術後より少なかった。前者は平均125(55-180)㎠、後者は200(123-269) ㎠だった。

CIVIQスコアは両群で有意差はなかった。EVLA後に、術後軽度の症状が認めれ手術後Ⅰ週間目と4週間目に軽度の合併症が指摘された。また、1週間目に足関節の麻痺に伴う不快感を認めた。復職までの期間はストリッピングの平均14(12.8-25.)日に対してEVLAは20(14-25.5)日と長めだった。

高位結紮を伴う血管内レーザー焼灼術は、安全で有効である。術後の皮下出血はストリッピング手術に比べて顕著に少なかった。術後短期の生活の質はストリッピング手術と同等であった。術後長期経過に関する調査が望まれる。

ジャーナル

Journal of Vascular Surgery 25/Feb/2008