再生医療(幹細胞治療)|適応疾患一覧と提供計画・厚労省審査プロセス【北青山D.CLINIC】
再生医療の適応疾患と再生医療提供までの審査・受理プロセス
北青山D.CLINICで実施する再生医療(自家脂肪由来間葉系幹細胞治療)はすべて、国の設置基準を満たした「北青山D.CLINIC特定認定再生医療等委員会」による厳格な審議を経て、厚生労働省の「第2種再生医療等提供計画」として受理された通知書のもとで行っております。幹細胞を用いた安全で適切な医療を提供するため、当院では以下の法定手順を遵守し、複数の治療計画において正式に受理番号を取得しています。
- 「第2種再生医療等提供計画」の策定
医学的妥当性および科学的根拠に基づいた詳細な治療プロトコルを作成します。 - 「特定認定再生医療等委員会」による審議・承認
外部有識者を含む認定委員会にて、治療の妥当性、安全性、倫理性について厳格な審査を受けます。 - 厚生労働省への治療計画提出
委員会で承認された計画を、管轄の厚生局を通じて厚生労働大臣に提出します。 - 厚生労働省による確認・受理
計画が適正であると認められた場合、計画番号とともに受理通知が発行されます。 - 再生医療等提供機関としての公開
受理された計画は、厚生労働省の「再生医療等提供機関一覧」にて一般に公開されます。
▶再生医療等の安全性の確保等に関する法律
▶届出された再生医療等提供計画(治療)の一覧 第二種 再生医療等提供計画(治療)(厚生労働省)
▶再生医療等安全性確保法第26条第4項の規定により認定された認定再生医療等委員会の一覧(厚生労働省)
▶北青山D.CLINIC特定認定再生医療等委員会 定期報告(厚生労働省)
【北青山D.CLINIC特定認定再生医療等委員会ページ】
▶北青山D.CLINIC特定認定再生医療等委員会
※参考:「特定認定再生医療等委員会」とは
幹細胞治療の効果と期待される作用機序
間葉系幹細胞(MSC)には、細胞の分泌物(サイトカインや成長因子等)が近隣の細胞に作用する「パラクライン効果」や、障害部位・病巣へ自律的に集積する「ホーミング効果」と呼ばれる性質があるとされています。これにより、免疫系の制御、血管新生、抗炎症作用、抗酸化作用、抗アポトーシス作用(細胞死の抑制)、組織修復作用など、多角的な再生修復作用が期待されます。また、脂肪由来幹細胞による治療は、既存の保存的治療や薬物療法と併用して実施することも可能です。
適応疾患・症状一覧
加齢に伴う身体的・生理的機能低下
提供計画 計画番号(受理番号)
加齢による身体的生理的機能低下に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(経血管的に投与):PB3210041
加齢による身体的生理的機能低下に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(局所的に投与):PB3210043
加齢に伴う老化は多角的な身体的・生理機能の低下を引き起こし、各種疾患の要因となります。心臓や脳の機能に関わる血管障害、骨・筋肉・関節の劣化によるロコモティブシンドローム・サルコペニア・フレイル、皮膚組織の劣化、さらには恒常性(ホメオスタシス)の破綻による悪性腫瘍の発症リスク上昇など、生命機能全般に影響を及ぼします。これら複合的な機能低下を予防・改善することは、健康寿命の延伸において極めて重要なアプローチとなります。
治療の対象となる疾患・症状
加齢による身体的・生理的機能低下の状態にあり、その改善や進行予防を希望される方(以下の病態や症候のある方)。
- 加齢に伴う老化が原因となる身体的・生理機能の低下および障害
- 脳卒中、心血管障害などの動脈硬化を背景にした疾患群
- 活性酸素・フリーラジカルに対する抵抗力の低下および酸化障害の増加
- 皮膚の光老化、骨量低下(骨粗しょう症傾向)
- 筋肉量ないしは筋力の低下(サルコペニア)、虚弱状態(フレイル)
スポーツ外傷等による運動器障害
提供計画 計画番号(受理番号)
スポーツ外傷、加齢等による運動器障害に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(経血管的に投与):PB3190119
スポーツ外傷、加齢等による運動器障害に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(局所的に投与):PB3190120
運動器は筋肉、腱、靭帯、骨、関節、神経系、脈管系などから構成され、身体運動を司ります。運動器の損傷や障害は日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)を大きく低下させるため、早期回復と組織の修復が重要視されます。
治療の対象となる疾患・症状
スポーツ外傷、事故、または加齢に伴う慢性的な負荷により生じた運動器障害を有し、既存の保存療法や手術的治療で十分な改善が得られない方。
- 肘、膝、肩、足、手、指、股関節周囲の損傷(靭帯・軟骨・腱・筋肉の損傷)
- 脊髄損傷後遺症、骨折後後遺症
- ロコモティブシンドローム、サルコペニア、フレイル
動脈硬化症(心筋梗塞、脳卒中)
提供計画 計画番号(受理番号)
動脈硬化症に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(経血管的に投与):PB3180121
動脈硬化症に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(局所的に投与):PB3180120
動脈硬化症は、高血圧や脂質異常症、糖尿病等により血管内皮が損傷・炎症を起こすことで進行し、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な血管イベントを引き起こします。病変の進展抑制と血管壁の修復・抗炎症アプローチが重要となります。
治療の対象となる疾患・症状
以下の選択基準を満たし、動脈硬化性病変を有すると判断される方。
- 検査指標:CAVI値(心臓足首血管指数)≧8.0、ABI値(足関節上腕血圧比)≦0.9、または頸動脈エコーでプラーク(IMT≧1.1mm)を有する方
- 既往・家族歴:心筋梗塞・狭心症・脳梗塞の既往がある方、冠動脈CTや頭部MRI/MRAで病変が指摘されている方、二親等内に動脈硬化性疾患の家族歴がある方
- 対象疾患:脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症(PAD)、バージャー病などで既存治療による改善が不十分な方
慢性疼痛
提供計画 計画番号(受理番号)
慢性疼痛症に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(経血管的に投与):PB3180117
慢性疼痛症に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(局所的に投与):PB3180123
3か月以上にわたり持続する慢性疼痛は、炎症、神経損傷、組織の変性などが複雑に絡み合っており、通常の鎮痛薬等では緩和が難しいケースが多々あります。長期の痛みは睡眠障害やQOL低下に直結するため、根本的な抗炎症・組織修復が期待されます。
治療の対象となる疾患・症状
画像診断(X線、CT、MRI、超音波等)で関節や脊柱の変形が認められ、既存の保存療法・薬物療法等で痛みのコントロールが不十分な方。
- 変形性膝関節症、腰椎症、頚椎症、慢性疼痛症による関節痛・神経痛・こわばり
- 運動時や歩行時・階段昇降時の痛み、関節の稼働域制限、朝のこわばり
- 古傷の痛み、神経障害性疼痛、がん治療に伴う痛みなど
認知機能障害
提供計画 計画番号(受理番号)
認知機能障害に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(経血管的投与):PB3180122
記憶、遂行、注意、言語などの認知機能が低下する状態であり、軽度認知機能障害(MCI)からアルツハイマー病などの認知症へと進行します。早期段階での神経保護および栄養因子の補給が、病態の進行遅延に極めて重要です。
治療の対象となる疾患・症状
物忘れの増加、物や人物の名前が出ない、予定や場所の失念など自覚・他覚症状があり、以下の診断を受けた方。
- 軽度認知機能障害(MCI)
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 脳血管性認知症
神経変性疾患
提供計画 計画番号(受理番号)
神経変性疾患に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(髄腔内投与):PB3190124
神経変性疾患に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療:PB3190121
中枢神経や末梢神経の特定細胞が徐々に変性・脱落する難治性疾患群です。進行に伴い運動機能や生活機能が損なわれるため、幹細胞の保護作用や栄養因子分泌(パラクライン効果)を利用した新たな治療選択肢が求められています。
治療の対象となる疾患・症状
既存の薬物療法等で病状の十分な改善・制御が見込めない以下の神経変性疾患をお持ちの方。
- パーキンソン病、大脳皮質基底核変性症
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)
- 脊髄小脳変性症、多系統萎縮症(MSA)
- 重症筋無力症、多発性硬化症(MS)
慢性肺疾患
提供計画 計画番号(受理番号)
慢性肺疾患に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療:PB3190123
間質性肺炎や肺線維症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などは、肺組織の繊維化や炎症によりガス交換能が著しく低下する難治性疾患です。慢性的な息切れや呼吸苦に対し、抗炎症・抗線維化アプローチが期待されています。
治療の対象となる疾患・症状
階段昇降時などの労作時息切れ、持続する呼吸苦、酸素透過能の低下等を認め、既存の薬物療法で十分な症状制御が得られない方。
- 特発性間質性肺炎、特発性肺線維症(IPF)
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、閉塞性細気管支炎など
心不全
提供計画 計画番号(受理番号)
心不全に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療:PB3190122
心機能の低下により全身に必要な血液を送り出せなくなる病態です。急性悪化を繰り返し段階的に全身状態が低下するため、心筋組織の保護や微小血管の再生による心機能サポートが重要な課題となります。
Ⅰ度:身体活動の制限なし / Ⅱ度:軽度制限(日常活動で息切れ等) / Ⅲ度:高度制限(軽い活動で症状) / Ⅳ度:安静時でも症状持続
治療の対象となる疾患・症状
慢性の心筋障害によりポンプ機能が低下し、以下の診断基準(大症状2つ、または大症状1つ+小症状2つ以上)に該当する方。
- 大症状:発作性夜間呼吸困難・起座呼吸、頸静脈怒張、肺ラ音、心拡大、急性肺水腫、拡張早期ギャロップ音、静脈圧上昇など
- 小症状:下腿浮腫、夜間咳嗽、労作性呼吸困難、肝腫大、胸水貯留、頻脈など
慢性腎臓病
提供計画 計画番号(受理番号)
慢性腎臓病(CKD)に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療:PB3190118
IgA腎症や糖尿病性腎症などにより腎機能が不可逆的に低下する病態です。腎不全への進行による人工透析導入を防ぐため、糸球体や腎筋質における慢性炎症の制御・微小循環の改善を目指します。
治療の対象となる疾患・症状
以下のいずれかの臨床検査値基準を満たし、既存治療で進行抑制が困難な慢性腎疾患の患者さん。
- eGFR < 60mL/min/1.73m²
- 0.15g/gCr 以上のタンパク尿(または 30mg/gCr 以上のアルブミン尿)
- 対象原疾患:IgA腎症、多発性嚢胞腎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症など
肝硬変・肝線維症など肝機能障害
提供計画 計画番号(受理番号)
肝硬変、肝線維症等の肝機能障害に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療:PB3190117
慢性肝炎やNASH(非アルコール性ステアトヘパティス)の進行に伴い肝臓が線維化し、肝硬変へと至る病態です。組織の線維化抑制と肝細胞の修復・再生アプローチが期待されます。
治療の対象となる疾患・症状
腹部超音波、CT、MRI画像などで肝線維化・結節形成が認められ、血液検査(AST、ALT、γ-GTP、アルブミン、PT時間、ビリルビン、血小板数等)で異常値を示す以下の方。
- 肝硬変
- 肝線維症
- 慢性肝炎(ウイルス性・アルコール性・NASH等)
炎症性腸疾患
提供計画 計画番号(受理番号)
炎症性腸疾患に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(経血管的に投与):PB3210027
炎症性腸疾患に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(局所的に投与):PB3210040
消化管粘膜に慢性の炎症や潰瘍を生じる免疫異常疾患です。寛解と再燃を繰り返し日常生活に支障を来すため、幹細胞の強い抗炎症作用および免疫調節機能を利用した粘膜修復が期待されます。
治療の対象となる疾患・症状
慢性的な腹痛、下痢、血便などの症状があり、以下の臨床診断を受けた方。
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病(小腸型、大腸型、小腸大腸型)
- 腸管ベーチェット病
動脈瘤
提供計画 計画番号(受理番号)
動脈瘤に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療:PB3220036
血管壁の組織変性や炎症により動脈の一部が局所的に拡張・突出する病態です。破裂リスクを低減するため、血管壁組織の補強と慢性的炎症の抑制が重要とされています。
治療の対象となる疾患・症状
画像診断にて瘤形成が認められ、破裂予防や進行抑制を希望される方。
- 未破裂脳動脈瘤
- 腹部大動脈瘤、胸部大動脈瘤、末梢動脈瘤
糖尿病
提供計画 計画番号(受理番号)
糖尿病に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療:PB3220039
インスリン分泌低下や抵抗性により慢性的な高血糖が持続する代謝疾患です。微小血管障害や全身の慢性炎症を抑え、膵β細胞機能の保護およびインスリン抵抗性の改善を図ります。
治療の対象となる疾患・症状
糖尿病と診断され、食事・運動療法や既存の薬物療法で血糖コントロールが不十分であり、以下のいずれかに該当する方。
- 早朝空腹時血糖値 126mg/dL 以上
- 75gOGTT 2時間値 200mg/dL 以上
- 随時血糖値 200mg/dL 以上
- HbA1c 6.5% 以上
不妊症
提供計画 計画番号(受理番号)
不妊症に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(経血管的に投与):PB3220034
不妊症に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(局所的に投与):PB3220035
加齢や加齢に伴う卵巣機能低下、子宮内膜の増殖能不全、微小循環障害などが原因となる不妊症に対し、血流改善・細胞再生・免疫調節による着床環境の整備を目指します。
治療の対象となる疾患・症状
以下の不妊原因を有し、妊娠率の向上や着床環境の改善を希望される方。
- 原発性卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- 薄い子宮内膜、アッシャーマン症候群
- 子宮内膜症、卵管閉塞等に伴う難治性不妊
脱毛症
提供計画 計画番号(受理番号)
脱毛症に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(経血管的に投与):PB3220038
脱毛症に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療(局所的に投与):PB3220037
毛包周囲の血行不良や微小炎症、加齢に伴う毛包幹細胞の衰退に対し、血管新生因子および各種成長因子の作用で毛包の再活性化を促します。
治療の対象となる疾患・症状
既存の投薬治療等で十分な発毛効果が得られない以下の症状をお持ちの方。
- 男性型脱毛症(AGA)
- 女性型脱毛症(FAGA / FMA)
治療をお受けいただけない方(除外基準)
北青山D.CLINICでは、患者さんの安全を最優先とするため、以下の条件に該当する方は再生医療をお受けいただくことができません。あらかじめご了承ください。
- 18歳未満の患者さん
- 脂肪採取のための局所麻酔・小手術に耐えうる健康状態にない方
- 正常な同意能力を有さない、または代諾者からの適切な文書同意が得られない方
- 事前説明を受け、自由意思による同意を文書で示していただけない方
- 医師による診察・検査の結果、治療適応外と診断された方
- 妊娠中の女性、授乳中の女性、または治療期間中に適切な避妊を行えない方
- 重度の心不全、重度の腎不全(クレアチニンクリアランス 30mL/min 未満)など重篤な臓器障害のある方
- 増殖性糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症の診断を受けている方
- コントロール不良な高血圧症、または危険な不整脈を認められる方
- せん妄の臨床症状がある方
- 12週間以内の感染症検査にて陽性反応がある方(B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒、HTLV-1)
- ペニシリン系薬剤に対する重篤なアレルギー・過剰反応歴のある方
- 呼吸機能検査において、PaO2が60Torr以下(またはSpO2 93%以下)の呼吸不全のある方
- (※認知機能障害治療のみ)脳血管障害(脳梗塞・脳出血等)にて加療中、または3か月以内に入院治療を受けた方
- (※認知機能障害治療のみ)脳腫瘍で加療中の方、または未治療・難治性のうつ病を併発している方