下肢静脈瘤の手術後、経過中の不安を解消するためにvarixlaser

今回は患者さまからのご意見をいただいたのでご紹介します。

患者さんは50歳代男性。
12月に左大伏在静脈の下肢静脈瘤に高周波(RF)による血管内治療を実施しました。
下の写真のように、大腿後ろ側の血管拡張径が11.6mmとやや太めの症例でした。

※治療の特徴・リスク・費用はこちら

先日の診察時に「治療をしたのに全然良くなっていない」と不安そうに言われました。
下の写真が治療後ですが、経過は順調で治療した大伏在静脈の逆流は完全に消失しているように思います。

一番血管が浮き上がっている部分はやや残っていましたが、術前と比較すると、術後5カ月としてはまずまずです。
手術後の硬化療法の反応も良好で、あと数か月もすれば残った部分もほとんど目立たなくなることが予想されました。

以上のことを説明しながら治療前の写真を患者さんにお見せしたところ、

「写真で見ると劇的に良くなっている。
自分の脚は毎日見るから変化に気づかなかったんですね」

と、安心したようにおっしゃっていただきました。

今回のように、全然よくなっていないとおっしゃる患者さんも時々いらっしゃいますが、術前の写真と比較すると、みなさんその変化を実感して安心していただけます。
治療前の下肢静脈瘤の程度にもよりますが、血管内焼灼術は治療機器が1470nmレーザーでも高周波(RF)でも回復まである程度の時間がかかるのが通常です。

ただし、比較的大きな静脈瘤の方でも治療後6-12か月もすればほとんど気にならないレベルまで改善します。
治療経過中だと本当に治るのかと不安な方もいらっしゃると思いますので、いつでも相談にいらしてください。
術前や経過中の写真はいつでもお見せします。

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◆治療のリスク・費用◆
50代男性、血管内照射タイプのレーザーによる治療

(特徴・リスク)
CEAP重症度分類は平均3程度です。
皮膚症状を伴う割合が多いです。
血管内焼灼術に加えて外用療法が必要な場合があります。

(治療費用)
保険適用レーザー
総額で25,000円(1割負担)~80,000円(3割負担)/片脚。

自費レーザーなど
総額が250,000~350,000円(税別)/片脚

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体外照射タイプのレーザーによる治療

(特徴)
波長1064nmのロングパルスYAGレーザーを用いて、外部から血管(皮膚)に対して直接レーザーを照射します。
照射スポットは血管の太さに応じて1㎜~3㎜程度に調整します。
脱毛やシミ治療のレーザーと同様の負担なので、日常生活の制限はありません。
治療範囲が広い場合は静脈麻酔や笑気麻酔を加える場合があります。
治療が複数回必要な場合が多いです。一般的には3回以上の治療回数を要します。
治療間隔は最低1-2カ月は空ける必要があります。

(合併症、リスク)
一過性の発赤や色素沈着が生じる場合があります。
極めて稀に火傷の後のようなびらん、潰瘍を来す場合があります。
回復に数か月~2年程要することがあります。

(治療費用)
10㎝四方の範囲の治療が1万円です。
脚全体を照射する場合は片脚上限10万円で対応しています。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会