ベノクローズ(スーパグルー治療)治療後満足度調査結果varixlaser

スーパーグルー(シアノアクリレート)による血管閉鎖術(CAE)通称「ベノクローズ」を始めて半年以上経過しました。今回、治療後1~3カ月の患者さんを対象にして治療後の満足度調査を実施しました。

アンケート対象者は33名(回答者23名:回答率69.7%)、治療後の経過に「大満足」が48%、「満足」が43%、何とも思わない、やや不満が各1名のみ、大変不満は0 という結果でした。




レーザーやスーパーグル―による血管内治療は、手術で静脈瘤を切除するのとは違い、体への負担は非常に小さい点が最大の長所ですが、静脈の瘤(コブ)が消えるのに多少の時間がかかります。静脈瘤は治療後ゆっくりと少しずつ小さくなっていき、静脈瘤の大きさに依りますが一般的には数か月から半年かけて肉眼的に気にならない状態になります。

その意味では、アンケートを実施した術後1~3か月の時点は、まだ静脈瘤が残っている時期なので患者さんの満足度が得られにくいといえます。また、自費診療は経済的負担が保険診療に比べて大きいため治療経過に対する期待値が大きく満足度評価も辛口になるのが普通です。そのように、治療満足度評価が厳しくなりやすい条件の下で、91%の方が治療に「満足」してくださったことは私達にとっては朗報でした。

治療後に弾性ストッキングをはかなくて済む、痛みや腫れが最小限、生活の制限がほぼ全くない、などが好評価に繋がった理由のようです。
まだ治療を実施する医療機関が少ない次世代治療を、先陣を切って実施する時には、この治療満足度調査を定期的に実施することが極めて大切であると考えています。特に、下肢静脈瘤のように基本的には命にかかわることのない良性疾患に対する治療効果について、エコー検査などによる客観的評価を実施することも大切ですが、何よりも治療を受けられた患者さんご本人が治療に満足し生活の質が改善しているかどうかについて評価すべきでしょう。
今後もベノクローズの治療満足度調査を定期的に実施する所存です。今回、ご協力いただいた方々に改めてお礼を申し上げると共に引き続きご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会