下肢静脈瘤治療を受けた患者さんへのアンケート 2015年3月varixlaser

下肢静脈瘤は受診に至らない方も含めると約1000万人、40歳以上の10人に一人が発症するとされています。
それだけ一般的な病気でありながら認知度がそれほど大きくありません。
そして治療ができることすらあまり知られていないかもしれません。

昨今はレーザー治療の他にも、高周波(ラジオ波)治療やフォーム硬化療法など、体に全くメスを入れない治療ができるようになったので、手術への恐怖や日常生活への不安から治療に踏み切れなかった患者さんも気軽に治療できるようになってきたと言えます。

この度、北青山Dクリニックでは、治療を受けた824名の方を対象に下記のアンケートを実施しました。

■質問
①症状が発生してから放置してきた期間
②治療せず放置してきた理由
③今回治療に踏み切った理由

その結果、60%以上の方が10年以上前から症状を自覚していたということです。
下肢静脈瘤は、すぐに命に関わるような緊急治療が必要な疾患ではありません。
しかし、確実に症状は進行し重症化すると治すのも難しくなって生活の質を非常に落とす疾患です。

早期治療をするに越したことはありませんが、大多数の患者さんが長い間放置している傾向がありました。

また、その理由は、
「どの科にかかればよいのかわからなかった」
「医療機関を受診したが放置してよいと言われた」
「手術・治療が怖かった」
「入院しなければいけなかったため」

などが過半数を超えていました。

そして、治療に踏み切った理由は、
「症状が悪化したことによりやむを得ず」が42%を占めました。

また、「レーザーや高周波などの体に負担の少ない治療が受けられるようになったから」という方が37%で、その他家族や知人に勧められた、医師から紹介された方が16%に及びました。

下肢静脈瘤は早期に治療をすればその分回復も早い疾患です。
それなのに、多くの方は症状が悪化してからやむを得ず治療に進むという状況です。

下肢静脈瘤は進行性の疾患ですので、痛み・かゆみ・むくみなどの不快症状が悪化し、さらに重症化すると潰瘍などが起こることも珍しくありません。そうなると治療をしても回復に時間がかかります。
ですので、気になる症状がある方はできるだけ早く、できれば下肢静脈瘤専門の血管外科を受診しましょう。

最後に、今回のアンケートでは当院での治療に対する満足度調査も実施しました。
その結果、98%の方に満足と回答していただきました。

アンケートにご協力いただきありがとうございました。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会