症例・治療事例CASE

がん遺伝子治療スキルス胃がん

【がん遺伝子治療】症例(15)80代女性 スキルス胃がん

2023.02.07

ご相談内容 2022年7月 スキルス胃がんステージⅣ 大動脈周囲リンパ節転移、骨転移、DICにて近医(宮城県)に入院中。7月末に意識減失あり、現在は定期的に輸血、酸素吸入、食事は流動食制限の状態。
同年8月 東京の親族のもとに一時転居の上で、抗がん剤治療と当院のがん遺伝子治療の併用を希望。
8月に転院した東京の医療機関で2週間間隔で抗がん剤治療(FOLFOX+ニボルマブ)を開始。主治医は遺伝子治療を初めとした標準治療以外の自費診療には否定的。
治療方針 標準治療を補完する立場で、点滴、局所注射により遺伝子治療を実施。
治療経過 2022年8月 
ご親族(お嬢様)に対してカウンセリング。
患者さん本人は2012年に当院において下肢静脈瘤手術治療歴あり。
近医にて、スキルス胃がんステージⅣ 大動脈周囲リンパ節転移、骨転移、播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された。
余命3~4か月と言われているが、何とか年越しをさせたいと。現在食事がとれず、中心静脈栄養点滴(CVポートあり)をしている。
東京の主治医は標準治療以外の治療に否定的だが、何とかがん遺伝子治療を受けさせたい、と希望。
DICが完治しておらず注射をするとあざになるので、投与方法はご本人のご意向も含めて経過を見ながら判断することとし、当院の遺伝子治療に着手。

2022年9月
遺伝子製剤 10Uを点滴・局所注射にて投与。
翌日に黒っぽい便が出た。消化管の潰瘍からの出血の場合があるが、遺伝子治療の影響とは考えにくく、改めて遺伝子治療には重篤な副作用がないことを説明。
抗がん剤治療(FOLFOX+ニボルマブ)開始後、経口摂食も流動食は摂取可能になった。排ガスあり。腹痛なし。抗がん剤治療は、初回は副作用が辛かったが、それ以降は特になかったと。

2022年10月 2回投与
1回の治療あたり、遺伝子製剤10Uを点滴・局所注射にて投与。
1回目の投与後、帰宅後、注射に伴う一時的な表面の痛みがあったが、その他の副作用なし。体調は良好。
2回目の投与後、食欲が出てきて、流動食でなく常食を食べられるようになった。排泄良好。

2022年11月 2回投与
1回の治療あたり、遺伝子製剤 10Uを点滴・局所注射にて投与。
抗がん剤治療(FOLFOX+ニボルマブ)後、一過性のしびれ、肝機能障害などはあるが、比較的軽微な副作用で済んでいる。「食べすぎなぐらい食べていて、家の前の坂を以前は登れなかったのに登れるようになった。他に特に気になるところはなく元気です。」と。

2022年12月 2回投与
1回の治療あたり、遺伝子製剤 10Uを点滴・局所注射にて投与。
「最初に来院した時は、固形のものを食べられなかったのに、今は普通に一人分食べています。遺伝子治療の効果だと思っています。」と。一方で担当医からは「ここまでもつと思わなかった」という類の発言があり、本人はそれを聞いて必要以上に不安がっているとのこと。

2023年1月 3回投与
1回の治療あたり、遺伝子製剤 10Uを点滴・局所注射にて投与。
経過良好につき、次回からは遺伝子治療の間隔をあける方針。
「体調はとてもいいです。昨日は4000歩歩きました。」と。
治療状況 2022年7月 スキルス胃がんステージⅣ 大動脈周囲リンパ節転移、骨転移、DICで近医に入院。定期的に輸血、酸素投入、食事は流動食の状態で余命3~4か月と言われた。同年8月 東京在住の親族のもとで、抗がん剤治療と共に当院のがん遺伝子治療を併用することを希望。転院した東京の医療機関での抗がん剤治療(FOLFOX+ニボルマブ)開始と並行して2022年9月末~2023年1月まで集中的に10回の遺伝子治療実施。開始2か月目に流動食から常食を食べられるようになり、体力も回復し経過良好。
治療期間 2022年9月~2023年1月(5か月継続中)
費用 治療総額:計10回の治療で治療費 計 4,620,000円。(税込)
治療のリスク 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。
注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37-38℃)など、軽微な副作用がある場合があります。

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