症例・治療事例CASE

がん遺伝子治療スキルス胃がん

【がん遺伝子治療】症例(10)70代男性 スキルス胃がん 腹膜播種

2022.11.29

ご相談内容 2010年近医にて肺がんの胸腔鏡下切除。2017年がん診療連携拠点病院にて、前立腺がんをダビンチ(ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術)による切除。2021年9月、同病院でEGDボーリングBxにてスキルス胃がんの診断を受け、抗癌剤治療を開始(オキサリプラチン+TS-1)。
余命間近と宣告され抗がん剤治療のみの対応に不安を感じ、補完医療として遺伝子治療を希望。
治療方針 化学療法を補完する立場で、遺伝子治療を実施する。
治療経過 2021年10月~12月
化学療法と併用して遺伝子治療を実施。
約2週間に1回の頻度で経過をみながら治療計画を組み立てる。
遺伝子製剤 10Uを3か月で15回投与。
遺伝子治療の副作用は特になく、下腹部の痛みは軽減してきた。
化学療法は、右下肢しびれ、呼吸苦、悪心、便秘、ふらつきなどの副作用あり。
「(化学療法では)治らない患者という扱いを受けているのはやや残念、
こちら(当院)でフォローしていただけるので安心。
12月末に子供たちが海外から帰国する。それまで元気でいたい。」

2021年12月 
白血球数値低下で予定していた化学療法は一時延期、4クール目はTS1のみで実施。
「化学療法の副作用がつらいので、副作用が強くない合間に遺伝子治療を計画したい。」

2022年1月 
化学療法5クール目に入り、しびれ、味覚障害、胸部不快感、悪心など強く出ている。
引き続き化学療法の間に遺伝子治療を実施。
遺伝子製剤 10Uを3回投与。

2022年2月 
遺伝子製剤 10Uを2回投与。

2022年3月 
遺伝子製剤 10Uを2回投与。

2022年4月 
遺伝子製剤 10Uを3回投与。
下腹部の違和感があるが、排便等は問題なく、
「昨年8月の発症時期の症状に近づいてきた感覚」があるとのこと。
化学療法と遺伝子治療の併用でコントロールができている印象がある。
4月末CT 盲腸周囲の腹膜播種巣が2月に比べ増悪。
「現在、化学療法は1st lineで、副作用が強いので、今後どうするか悩んでいる。」

2022年5月 
遺伝子製剤 10Uを2回投与。
急に体力の低下があり、他に検討できる治療がないか免疫療法なども調べていると相談あり。
6月末CT 腹膜播種巣は微増だが、著変なし。

2022年7月 
遺伝子製剤 10Uを2回投与。
化学療法は2nd line開始。
「化学慮法の副作用で手足のしびれが強くなった。副作用強く、脱毛が気になる。」

2022年8月 
遺伝子製剤 10Uを投与。

2022年9月 
遺伝子製剤 10Uを投与。

2022年10月 
遺伝子製剤 10Uを投与。
遺伝子治療を継続中。
治療状況 他院で前立腺がん切除。その4年後にスキルス胃がんの診断を受け、抗癌剤治療開始と併用して遺伝子治療を約1年間で32回の実施。治療開始1年を経過し抗がん剤は2nd lineへ進んだが、今でも自ら車を運転して当院へ通院しながら遺伝子治療を継続中。病巣によるさしたる症状はなく抗がん剤の副作用のみ。腫瘍マーカーも安定。
治療期間 2021年10月~2022年10月(1年1か月)継続中。
費用 治療総額:計32回の治療で治療費 計 14,784,000円。(税込)
治療のリスク 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。
注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37-38℃)など、軽微な副作用がある場合があります。

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